よくいただく質問

『神谷塾だより』から 2004.3.8〜2004.12.13

上のものほど新しい記事です。 


◆地震に備える(下) 【第70号:2004年12月13日発行】

今回は「どんな地震を警戒すべきか」という大きな話です。

北海道は「北米プレート」に載っています。その太平洋側では、「太平洋プレート」が東から移動してきていて、北米プレートの下に沈み込みながら西側へ押し ています。押された北米プレートは日本海でさらに西側の「ユーラシアプレート」と押し合う形になっています。この構造から、大きくタイプ分けして以下 @〜Bの震源域が想定されます。

まず@北米プレートと太平洋プレートとの境界。これは道東にしばしば大震災をもたらしているのでよく知られていますが、札幌は震源から比較的離れているの で震度4を上回ることはあまりありません。プレート境界ではA北米プレートとユーラシアプレートとの境界のほうが近いので、むしろこちらを警戒すべきで しょう。中学や高校の理科でも従来の報道でも太平洋側のプレート境界ばかりが強調されていて、一般にはあまり意識されていません。しかし、1993年の北 海道南西沖地震はこの境界で起きていますし、今後巨大地震の震源となるであろう空白域(過去に地震が発生していない地域)が積丹半島の先のほうにありま す。

さらにもうひとつ、東西から圧縮の力を受けるためにB北米プレートの内部で破壊が起こることがあります。最近よく報道されている「石狩低地東縁断層帯」で 発生する場合がこれですし、まだ見つかっていない活断層もあるかも知れません。札幌市民としては「直下型」として警戒すべきものです。震源が非常に近いの で、エネルギー規模(マグニチュード)が小さくても大震災となる可能性があります。

以上は基礎知識として押さえておきましょう。さて、ではこういった「地震の巣」に囲まれている私たちは、今日にも起こるかも知れない大地震におびえて暮ら さねばならないのでしょうか?−−それは合理的ではなさそうです。プレート境界型巨大地震の間隔は100〜200年、活断層の動きはおよそ1000年に1 回と見積もられていますし、これも統計的にはじき出された数字ではありません。地球の寿命を100億年と仮定すると人間の寿命のおよそ1億倍(!)で、地 球の活動のタイムスケールもまた、人間の感覚を超越しています。大地震を経験せずに一生を終える人のほうが圧倒的に多数なのです。大地震が来たら“運が悪 い”のだと割り切るべきでしょう。

日常的・習慣的に実行していける備えをしていくのが精一杯でしょうし、それが最善だとも言えます。地震対策はものすごい労力のかかるものだと思い込んでし まって何もしないよりはるかに有効ですし、いっぽう「防災グッズ」一式を買ってきてそれで安心してしまうのもまた問題があるでしょう。大地震が来ても 2〜3日間は飢え・渇き・寒さをしのげるような備えをし、いつ地震が来ても適切に行動できるような「心の準備」をし、地震が来たその時には無事に生き延び るとともに火災を出さないよう専念すればいいのだと思います。できることから実行してみてください。なお、次の本が大変参考になりますのでご紹介しておき ます。

  神沼克伊(かみぬま かつただ) 『地震学者の個人的な地震対策−治にいて乱を忘れずの法』 (三五館、1999年、1400円+税)

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◆地震に備える(中) 【第69号:2004年11月29日発行】

前回は大地震の「その時」について書きました。では、大地震の「前」といいますか、日常はどんな備えをすべきなのでしょうか。

@最も重要な対策は、潰れない家に住むことでしょう。1981年6月に建築基準法の改正があり、耐震基準が強化されています。それ以前に建てられた家屋は 注意したほうがいいでしょう。次のホームページで、家の耐震診断ができるようになっています。
・日本建築防災協会 「わが家の耐震診断相談・支援コーナー」
・北海道建築指導課 「わが家の耐震診断」

A寝床のそばにはできるだけ家具類を置かないようにします。本棚やタンスの横で寝ている人は要注意です。

B室内にガラスの破片が散乱することがあるので、運動靴かスリッパ、手袋、厚手の靴下をすぐ取り出せるようにしておきます。ドライバーなどの工具類や医薬 品も。懐中電灯は手探りで探し出せる場所に置いておきましょう。

C家具の転倒防止は十分にしておきましょう。金具で壁に固定する方法はよく知られていますが、壁や家具を傷つけるのを避けたい方や家具の移動が面倒になる のでおっくうだという方は、家具と床との間にかまぼこ板などをかませて壁側に傾けておくだけでも十分な効果が期待できます。また、天井と家具との間にお菓 子などの紙箱をつめておくと、固定にも、クッションとしても、意外に優秀なはたらきをするようです。手軽にできる対策ですのでお勧めです。ガラスのある家 具にはガラス飛散防止フィルムも張っておきましょう。

D電気が来なくなると、季節を問わず大変です。特に冬場は心配ですね。電気が来るまでの当座をしのぐために、以下のものがあるといいように思います。
・電気なしで暖房できるように、昔ながらの石油ストーブとポリタンク2個くらいの灯油。携帯のカイロもあるといいでしょう。
・電話線をつなぐだけで(電源なしで)使える電話機。これも昔ながらのものです。携帯電話は充電できなければ使えなくなります。
・携帯用のガスコンロや、登山/キャンプ用のバーナーがあれば大いに役に立つでしょう。

E水が来なくなることも考えて、常時少なくともやかん1個に水を満杯にしておきます。流し台のボールと風呂桶にも水を張っておけば、手や食器を洗うほかト イレの水にも使えます。

F保存食料はなかなか用意する気にならないという方が多いと思います。だとすれば、加熱しなくても食べられるもの(パンや果物)を余裕を持って買い置きし ておくのがいいのではないでしょうか。

G日中は家族が別々に行動しているでしょうから、家が無事でない場合に備えて、集合場所を決めておきましょう。

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◆地震に備える(上) 【第68号:2004年11月15日発行】

新潟中越地震でご親戚やお知り合いが被災された方がおられましたら、この場を借りてお見舞い申し上げます。この機会に、というと不謹慎な気がしますが、 ちょうどみなさんの意識が高まっているだろうと思いまして、地震防災について3回ほど書いてみます。

何よりもまず大切なのは、ゆれが治まるまで無事でいることですね。今回はこれです。

震度6から7にもなる直下型ではタテにもヨコにもむちゃくちゃに揺れるので、何もできないと思ったほうがいいそうですが、直下型でなければ、P波による初 動からS波による大揺れまで「一瞬」以上の時間的余裕があります。その「一瞬」のすきに素早く対応します。

@学校の校庭のように広々とした場所にいるときは安全です。まず危険はないので、じっとしていればいいです。

A建物の中にいるときは、物が落ちてこない所、なるべく壁か太い柱のそばに身を寄せ、姿勢を 低くしてじっとしていましょう。ガラスが割れて飛んでくるおそれがあるので、窓から離れて背を向けていましょう。強い地盤の上に規則に従って造られた建物 なら(手抜き工事などなければ)、鉄筋コンクリートのビルは普通は安全です。木造家屋の中にいるときは、丈夫なテーブルか机の下などに身を隠しましょう。

B火を使っていたら消さねばなりませんが、最近はストーブが倒れたらすぐに火が消えるように なっていたり、ある震度以上の揺れではガスの供給が自動的に止まる※ようになっていたりと、それなりに対策が進んでいますので、無理に火を消したり元栓を 閉めたりしなくていい場合もあります。
  ※北ガスの場合、メーターがマイコン搭載型であればおよそ震度「5強」で自動停止するそうです。

C建物がいままさに倒れようとしている場合を除き、あわてて屋外へ出てはいけません。屋内に 入ろうとしてもいけません。落下物でけがをしたりしやすいのです。

D列車やバスの中にいたら、残念ながらこればかりはどうしようもありません。だからといって 列車やバスに生涯乗らないわけにもいきませんから、そのときはあわてず騒がず、自分の周囲に起こることに臨機応変に反応しつつ、運を天に任せるよりほかな いでしょ う。

Eたまたま海岸にいたら、海岸から離れた高い場所にできるだけ早く逃げること。津波が来るか どうかラジオで言うのを待っていると、その前に津波が来るかも知れません。

−−と、いろいろ心得ておきたいことは多いのですが、最も重要なのは心の準備であろうと思います。「いま地震が来たらどうする」と時々考える習慣をつけま しょう。火を消そう、あそこに逃げ込もう、と頭の中でやってみるのです。そうすると、本当に地震が来たときにも適切に対応できる可能性が大きい。「地震の ときにそこにいると危ない」場所をチェックしておくこともお勧めします。

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◆シラカバの根 【第67号:2004年10月25日発行】

遅くなりましたが、9月の台風18号上陸のとき、ご家庭ではご無事だったでしょうか。シラカバ(シラカンバ)やポプラが根こそぎ倒れていたのは凄まじい風 景でした。なかなか見る機会のないものですが、今回公園などで1本や2本は見かけた人が多いのではないですか。神谷は自宅すぐ上の「宮の丘公園」に犬を連 れて散歩に行った際、シラカバが散策路に沿ってことごとくダーッと倒れてしまっているのを見ました。

珍しい匂いでもするのか、犬が木の下に潜り込みたがります。それを制しながらハテナと考え込みました。犬が入ろうするその空間には根がありません。だから 入っていけるわけですが、シラカバの葉は網状脈、分類では双子葉類です。「主根」があるはずなんだけど。折れたのか?…よく見てみましたがありません。根 はほぼ幹と直角の方向に伸びているだけで、非常にバランスが悪い感じ。そんな浅い根でよくもこれまで立っていられたもんだ!…と思うほどです。

中学理科の公式どおり「双子葉類は(全部)主根・側根」だと思っていましたし、背の高い木にはそれ相応の(バランスのよい)太く長い根がズドン!と伸びて いるような気がしていました。が、違うようです。いろいろ調べたり、知人にメールで質問したりして、結局次のような見解に達しました。
●シラカバは植物の遷移(移り変わり)の初期のグループ。土壌(柔らかく養分のある層)が浅く根を深く伸ばせないような環境で育つ
●根こそぎ倒れたやつで見えている根のうちの太いのが「主根」に違いないが、それが何本もあるので「主根」という感じがしない
●そのように“設計”(DNAで)されているので、根を深く伸ばせる土地でもやはり浅い根をはってしまう。意外に臨機応変でない
●成長が早い代わりに寿命も短く、また根が浅いから台風で倒れたりする。だから次の植物のグループに交替しやすい
−−入試には絶対に出ないであろう話ですが、主根といっても1本とは限らないし、地球の中心に向かって伸びるとも限らないということでしょう。

生物は多様で、学校の勉強の枠に収まらない例外がいくらでもあります。たとえば、サメはれっきとした魚類ですが胎生で、母親の胎内で共喰いをする種類もあ るらしい。「双子葉類には主根がズドンと1本」とか「魚類は卵生」とかいうのは、主流はそうであるというだけの話のようです。基礎を学ぶ時期に珍しい例外 を知っている必要はないかも知れませんが、このように奥の深いところが生物は難しく、また面白いともいえましょう。

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◆『新しい科学の教科書 準拠問題集』+『新しい理科の教科書』 【第65号:2004年9月13日発行】

神谷が検討委員をしていて、中学生の皆さんには塾指定教材として持ってもらっている『新しい科学の教科書』(文一総合出版)に、準拠問題集ができました。 学年別、各945円(本体900円+税45円)です。T巻10章「震える日本列島」とU巻8章1節「世界の気候」は神谷が担当して執筆しています。

また、これより一足早く、小学生用の『新しい理科の教科書』(小3〜小6)も出版されています。神谷はこれにも検討委員として参加しています。表紙が可愛 い!

どちらも休憩コーナーに置いてありますので、手に取ってみてください。書店で買えますが、ご希望の方にはお取り寄せをします。

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◆手順を守る 【第60号:2004年6月14日発行】

野球評論家の豊田泰光さんが「手順守らず上達の道なし」という題でいいことを書いています(日本経済新聞、6月3日付)。詳細は省きますが、道具の進化や グラウンドの変化が守備をはじめとして選手に手順無視の動作をさせている、という文脈で「上達の基本が手順の順守にあるのは変わらない」と強調、基本をい やになるぐらいみっちり練習してこそ本物になれる、と述べています。そして、「『イチローみたいに軽く振れ』という指導者はイチローのフルスイングのすご さを知っているか。精一杯振っても鈍いスイングしかできない人が力を抜いてどうする。カーブもきちんと投げられない投手がフォークを覚えてどうする」と。

なるほどねーと感心したのと同時に、「本気で解こうとしてもミスの多い人がテキトーにやってどうする」というフレーズが浮かんでしまった。−−自己流はだ めだ。数学には守るべき“作法”がある。必ず守れ。でないと実力がつかない−−と、この塾ではさんざん言われますね。気分はよくないだろうが(笑)、数学 は基本の技術を身につけておかないと、どこかで暗礁に乗り上げるのだ。音楽やスポーツを習ったことのある人は、基本技術の大切さをよく知っているだろう。 数学や他教科の勉強も同じだ。そして、その上に<正統派>の勉強が成り立つ。

教科によって細部は異なる※が、<正統派>に共通する姿勢は<納得できるまでねばる>ということ。納得できないと気持ち 悪いだろう。その感覚を大事にする。そして、納得できないうちは先へ進まないことにする。数学などはこの方法が最も有効な教科であろうし、数学が得意にな るためのコツはまさにこれである。授業を聴いたり活字を追ったりするのはあくまでも外部からの助けであって、「納得」は自分の内部でしなくてはならない。 誰かに代わりに納得してもらうわけにはいかない。孤独で地道な作業なのだ。

この孤独さ・地道さに堪えられない人は、<ごまかし型>の勉強をしてしまう危険があるだろう。つまり、“とりあえず”答なり解き方を憶える。たとえば、速 さの問題をことごとくハジキの公式で処理する。速さ・時間・距離の関係の実感がつかめないまま正解が出てしまうが、わかった気にはなれず、すごく気持ち悪 いはずだ。

中3数学では展開の次に因数分解を学ぶ。因数分解は展開の逆だが、頭の中では(割り算をするとき掛け算をしながら考えるように)分解したものをまた展開し てみるという作業をする。だから展開をみっちり練習しておくと、その計算のための脳内回路が強化されているので、因数分解を学び始めて間もなく、ほとんど 瞬時に正解が出るようになるものだ※。手順をしっかり守れば苦労はない。それを、手順を守らず、つまり展開の練習が不十分なのに 因数分解を“瞬時”にしようなどとすると、めちゃめちゃに※なってしまう。あるいは、(まるで九九のように)憶えてしまえ!とい う作戦に出る人もいるかもしれない。たとえば (x±a)2 のタイプの展開・因数分解は、aを1桁の自然数とすれば9×2=18通りしかないからね。しかし、aは2桁の場合も分数の場合もあるのだし、そもそもこの タイプは展開・因数分解の中でも特殊で簡単なほうだ。「憶えてしまえ」作戦はすぐに頓挫する。正統派のほうがよほど楽である。

正統派は効率が悪い。時間がかかる。だが、この塾のシステムは、素晴らしいことに(笑)時間の制限がない。正統派でやる人を支援したいからだ。“初心者” のうちから勉強に効率など求めてはいけない。気が済むまで正統派でやろう。そうするうちに、ひとつひとつの作業が速くなってくるはずだ。

 社会科などのある部分では、まず「慣れることが大事」とされることもある。たとえば「なぜ天皇が日本国と日本国民統 合の象徴なのか?」という疑問に対して、納得のいく説明はなかなか得られないであろう。
 高校数学でも展開や因数分解を学ぶが、さすがに高校レベルだと“瞬時”に答が出ることはあまりない。暗算もほとんど不可能。
 「めちゃめちゃになった」と思ったら、そうなった場所をさかのぼって調べ、そこからやり直すこと。これはこれで立派な<正統 派>である。

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◆年金問題によせて 【第59号:2004年5月24日発行】

仮にも教育者のはしくれとしれは、この紙面を使って明らかにすべきではないかと考え、書いておきます。わたくし神谷は年金保険料未納の時期があります。年 金保険料の納入は、納税の義務に匹敵する重みがあることです。すみません。ひとこと反省の意を表させてください。どこかの国の総理大臣のように、シラを切 るつもりも、開き直るつもりもありません。

この『塾だより』では、社会のできごとにはめったに触れません。マスメディアに専門家が書いたり話したりするのに期待していればいいだろう…という“逃 げ”の姿勢ですが(笑)、書いてみてもいいかなと思うこともある。社会科の学習に関連することであれば注意を促したいし、ここに書く内容は大したことなく ても、新聞や本を読んでみるきっかけになるかも知れないから。

というわけで神谷の“年金未納問題”ですが、まず32歳でサラリーマンをやめて塾講師になるとき、厚生年金から国民年金へ切り替える際に1か月の “空白”があります(おおざっぱに言えば、20歳以上で、会社に勤めている人は「厚生年金」、そうでなければ「国民年金」に加入し、保険料を支払う)。サ ラリーマン時代、入社時から厚生年金に加入、退職時に脱退しました。前の塾はまだ会社ではなかったので国民年金に加入したのですが、手続きの遅れから空白 が生じました。弁解するわけではありませんが、うっかりしていました。ホントです(笑)。あとで気がついて空白を埋めようとしたのですが、「時効」になっ ていてそれはできませんでした。これでホゾを噛んでいる国会議員も多いことでしょう。

もうひとつは、浪人中に20歳になりましたが未加入でした。当時予備校生に加入義務があるのかどうか知りませんでしたし、今もよくわかりません。あの総理 大臣もそうだったでしょう。彼の場合、開き直るのがいけない。

さて最近の日本は、何か非のあるかに見える人が現れるとよってたかってバッシングするという、非常にいやな国になっています。社会が不安定で、それに堪え きれない者が「うっぷん晴らし」をしているのだと言われますが、「皆が石を投げているので自分も投げちゃえ投げちゃえ…」というような軽さもあり、きわめ て不愉快です。集団ヒステリーとはまさにこういう状況なのかも知れませんね。年金で言えば、1か月の「うっかり未納」も20年の大ドロボーも一緒くたに バッシングして「ああせいせいした」で済ませている人が多そうです。

さて、今回、年金についてはある大事な点がほとんど語られていない気がします。日本の年金は賦課方式といって、保険料は自分が将来受け取るために払うので はなく、今の高齢世代を支えるために払うものです。だから、自分がたとえ大金持ちで将来年金が必要なくとも、払うべきなのです。お金のある人にはナンセン スでしょうし、おそらく、高齢世代の生活は税金で支えるほうがわかりやすく、合理的なのでしょう。しかしながら、現行の制度に国民の多数が従っているとい うのに、政治家たちが未納を決め込んでいたのは許し難い。年金制度の価値を理解している人も、払う気がなくなります。今の「その場しのぎ」の改革法案がた とえ成立しても未納者は減らないでしょう。まず廃案にして、年金制度の不備を全部洗い出すところから始めなければ、何も解決しません。

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◆この時期にどうして?…と思うだろうが  中学生のテスト勉強 【第58号:2004年5月10日発行】

5月です。昔の中学では1学期にも中間試験があって、ちょうど5月がそのシーズンでした(定期試験が年5回あったのです)が、いま5月は何気ない毎日が風 のように過ぎてゆくだけ。連休が終わり、4月のほどよい緊張感も薄れ、3年生は見学旅行の準備があったり、学校によっては早々と出かけたりする。そんな日 常だけれど、学校は学校として、君たちは<自分だけの勉強プログラム>を持っているわけだから、着々とそれを進めること。“マイペース”というのはそうい うものである。

試験が近づいてからようやく勉強らしきものを始める…のでは満足な結果が得られない。2年生以上の人はもう重々承知のことと思う。普段やっていないものを 急にやろうとしてもできないし、まとめてやったところで効果は上がらない。得意教科は学校よりも少し早めに、苦手教科は遅れないように、日頃から着実にや りなさい。そうすれば、それがそのまま自動的にテスト勉強になっているはずであって、直前になって初めから勉強しなおしたりする必要はない。テスト前には 以下のような勉強ができるように、今から態勢をつくりなさい。

@ワーク類の間違えたところをやり直す。数学はこれだけでよい。時間が限られているので、数学にあまり時間をかけないこと。
Aテスト範囲が出るころにはワーク類をやり終えているようにする。そのころ試験対策用のプリント集(数学はなし)を解答つきで配るので、あとはそれを使っ て実戦的に勉強。全部やらなくてよい(やってもよい)。
B苦手なところがあったらノートにまとめを書く。似たような問題を山ほど解くよりよほど効果がある。
C前日には、「手つかず」になっているであろう実技教科をやる。教科書・ノート・プリントの見直しをがっちり。

−−こうすれば、テストだからといって大騒ぎしなくとも実力どおり(以上?)の結果が出るだろう。この5月の過ごし方いかんによって、この1年の出来が 違ってくるかも知れない。塾でも家でも学校でも、思う存分勉強してください。

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◆テレビを消そう 【第56号:2004年4月5日発行】

特に理由もなくテレビが点けっぱなしになっている家庭は少なくないと思います。一度消してみましょう。全く見ないのではなく、見たい番組が始まる時に点 け、終わったら直ちに消せばいいのです。テレビが消えると、そこには静かで豊かな時間が生まれます。夜の時間が2倍も3倍も長くなったように感じられるは ずですよ。雑音が排除されてこそ家族の会話は成り立ちますし、読書もできます。子どもは勉強をしてもいい。省エネにもなります(実際、日本中のテレビ点 けっぱなし世帯のすべてが電源をオフにしたら、どれほどの節電になるでしょうか)。日本の多くの家庭は、テレビに侵略されています。テレビに奪われた時間 を取り返してみませんか。

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