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学習のヒント

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『神谷塾だより』から

上のものほど新しい記事です。

学力をつけるための日常生活の心得【第212号:2014年7月22日発行】

もうすぐ夏休みです。勉強方法を見直してみるいい機会だと思いますので、以下の話を参考にしてみてください。

1.朝食をしっかり 大脳は一日におよそ500 kcal(ご飯ならばお茶わん3杯分くらい)のエネルギーを消費するそうだ。通常の活動でこの値だから、勉強に励む君たちではもっと大きな値になるだろう。勉強するとお腹が空くのはこのためだ。その日に使うエネルギーを摂取するのが朝食の目的。朝食抜きで活動すると、肝臓に保存されているグリコーゲンが消費されて肝臓に余計な負担がかかる。おにぎり1個でもいいから食べること。

2.朝刊を読む 社会に対するアンテナを張ろう。テレビに頼らず活字で情報を得たい。「いま社会で何が問題になっているのか」に絶えず関心を持ち、さらに「自分は社会のために何をしたいか」をときどき考えよう。

3.眠るやつほどよく伸びる 大脳だって細胞の集まりだ。休ませないとちゃんと働かなくなる。ある予備校の調査では、大学受験の浪人生で伸びる人の平均睡眠時間は一日7時間、あまり伸びない人は5時間半程度だった。ゲームなどをしてだらだら起きているのは問題外だが、勉強熱心なあまりいろんなものに手を出しすぎて夜ふかしをするのもまずい。肝腎の授業中に舟をこいでいては本末転倒だ。やるべきことをやったらサッと寝よう。

4.鳥よりも早く起きる 北海道の夏は朝が早い。午前4時にはもう明るく、鳥が活動を始めている。家族でいちばん早く起きて勉強するのは気分がいいだろうし、朝食もしっかり摂ることができる。中3生は夏期講習の予習を前夜にすべて終わらせようとすると夜更かしをすることになるだろうから、課題を一部残しておいて朝にやるのも良し。むしろそのほうが8時半からの授業にスムーズに入れるかも知れない。睡眠不足だと思ったら昼寝をしよう。

5.いつも心をヴィヴィッド(vivid)に 学習効果が早く現れる人はおしなべて好奇心が強い。勉強以外のことにも絶えず関心を持ち、たまにはテレビも見て、友達とも遊ぶ。勉強に疲れた時は効果的にリフレッシュ。常に精神活動を活性化させておくことが、学んだことを消化・吸収するためには重要なのだ。同時に、軽い運動で汗を流す時間を作るようにし、身体も活性化させておくのが良い。

6.いやなものから先に 伸びる人は必ずいやなものから優先的にスタートする。好きな科目、得意な科目だけをいじくりまわして不得意科目に切り込む勇気のない人は伸びない。

7.継続は力なり 自分ではかなりやっているはずなのに成績が伸びないと気持ちが沈むものだ。しかしその感じこそ、やがて学力の伸びが得点となって現れる予兆なのである。教科にもよるが、学習の効果が数字として見えてくるのは2~3か月後だ。楽天的に持続しよう。特に数学や英語はできるだけ毎日やること。得意な人でも、3日開けるとカンが鈍るものである。

8.試験のあとで 試験の答案が返ってきたら間違いをこそ大切にする。「そこをもっと勉強せよ」と教えてくれているのだ。そして、得点や順位や合格判定にこだわりすぎないこと。それより、良かった時にも、良くなかった時にも、その原因を分析せよ。良かったのはたまたま直前に勉強したことが出たからかも知れない。「勉強が足りなかった」という自覚があるのなら、しっかり補強しなくては。「勉強したのに良くない」ものがあったら、方法がまずい可能性がある。分析結果を次の試験に活かそう。

9.机に向かえないとき 誰にでもスランプはある。いま好調でも、夏休みが終わるころにやってくるかも知れない。「机に向かわなくてはならないのだが気分が乗らない」という時は環境を(いろいろな意味で)変えてみるといい。早朝勉強型に切り替えるとか、塾に来る前に書店へ寄って参考書を探してみるとか。勉強机の上を片づけてゼロにするのも意外に効果的。スランプだから…といって何もしないでいるとどんどん落ち込んでいくものだ。とにかくエンジンをかけることである。

10.将来に残るものを作れ 君たちは勉強に専従しているのだから、様々な勉強のノウハウを持っているだろう。それを洗練させて、自分固有の方法を開発せよ。「集中力を持続させる方法」「常に体調をベターに保つ方法」「スランプからの脱出法」「全教科に目を配り、じりじりと総合力を上げてゆく平衡感覚」…なんでもいい。高校・大学・社会でそれは必ず役に立つ。

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中学生のテスト勉強【第210号:2014年5月26日発行】

1学期の定期テストが近づいてきました。前回は、5月のうちに着々と勉強を進めておけばそれが第1次のテスト勉強になっているはずである、といったことを書きました。今回はテストを2~3週間後に控えた時期の勉強方法を書きましょう。

【全体について】
(1)まず、学校のワークブックの試験範囲の部分をきちんと仕上げること。提出があるだろうし、テストにはそこから類題が出ることが多い。
(2)塾のワークの試験範囲の部分を進めながら、これまでに解いた部分の見直しをしよう。そこには塾長やスタッフの先生が付けたマルが残っている。最初は赤色の細いマル、自力で直した後は赤色の太いマル。さらに先生が一緒に解いたり解説をしたりした後は青色の細いマル、それでもまだ間違っていたものには青色の太いマル、という具合に、段階ごとに 赤細→赤太→青細→青太 と色と太さを変えています(さらに「重症」だったものには水色の極太のマル)。さて、赤細か赤太のマルがついているものは自力で正解にたどりついたものだから、そこはまず理解できていると思っていいだろう。しっかり復習するべきなのは青細と青太のマル。それらはそのとき自力では全然できなかったものなのだ。今なら自力で解けるだろうか?そのときはなぜ解けなかったのだろうか?…そこを確認しながらノートか何かにやり直してみなさい。眺めているだけではダメです。
(3)各教科のワークを解き終えたら、仕上げ学習用のプリントを用意します。それで最終チェックをしよう。

【数学・英語】
(4)直前になってまで数学や英語のワークをやっているようでは、結果はもう見えている。そういう事態を招かないようにするために、1週間までには最低限やるべきことを終えたい。

【理科・社会・国語】
(5)ワークブックやプリントをやっていればいいというものではない。ワークは所詮はワーク。プリントも所詮はプリント。基本は教科書とか参考書・地図・史料なのである。特に理科・社会は、問題を解くだけでなく、一項目1ページ(1枚)と決めて「まとめ」をするとよい。試験の全範囲をまとめ直すようなことをすると絶対に時間が足りなくなるので、難しく感じたところとか、小テストであまりできなかったところというように、優先順位の高い部分からやってみよう。3日前には最低限やるべきことを終えたい。
(6)「まとめの方法」 については詳しく書くと長くなるので、ひとことだけ。何も見ないで書く。そうやって頭の中の引き出しを整理するのである。「何か見なければ何も書けない」 のであれば、頭に何も入っていないのも同然。「まとめ」をするレベルではないわけだ。ノートを取りながら、教科書や参考書をよく読みなさい。
(7)教科書に蛍光ペンで線を引く必要はない。あちこち線を引いても自分で思うほどには頭に入らないものだ。線を引く代わりに、ノートに書いて書いて、書きまくれ。「ノートを汚して教科書を汚すな」 と、『ドラゴン桜』 の柳先生も言っている(単行本では2巻)。

【技能・芸術教科】
(8)試験の直前にはそんなにあれこれやる時間はない。保健体育や技術・家庭が手つかずに近い状態で残っているだろうから、教科書やノート・プリントなどの見直しをしておこう。

1学期の成績がうまく取れれば、夏以降のやる気にもつながるし、学年末を好成績で終える可能性も大きくなります。テストまであとしばらく、がっちり勉強して成果を上げてください。中3でテスト前に修学旅行へ出かける人は、その間は大いに楽しめばよいが、その前後には自分に厳しく取り組んでください。

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5月の過ごし方【第209号:2014年4月21日発行】

5月です。いい陽気になってきました。ひと冬のあいだ寒さや積雪にじっと堪えてきた甲斐があった…としみじみ思う季節です。

昔の中学では各学期に中間試験があって(※)、ちょうど5月が1学期中間試験のシーズンでした。いま5月はこれといった行事もなく、授業は大して進みもせず、何気ない毎日が風のように過ぎてゆくだけ。連休が終わり、4月のほどよい緊張感もうすれ、3年生は修学旅行の準備があったり、学校によっては早々と出かけたりする。そんな日常だ。でも試験はいつのまにか(!)やってきて、試験範囲が出ると同時に授業がバビューンと加速したりもする。満足のいく成績を上げられるよう、合理的に準備を進めていこう。
※1・2学期の中間・期末と学年末とで、定期試験が年に5回あったのだ。

テストが近づいてからようやく勉強を始めるのでは、満足な結果を出せない。中2以上の人はもう、よくわかっていますよね。普段やっていないものを急にやろうとしてもできないし、短期間にまとめてやっても思ったほどには効果は上がらない。数学・英語は学校よりも早めに、理科・社会・国語は遅れないように、日ごろから着々とやろう。神谷塾ではもともと自力で解いて進める方式なのだから、実は日々これ試験勉強なのである。したがって、ふだんの勉強がそのまま自動的に第1次のテスト勉強になっているはずであって、試験範囲が出てから改めて全体を勉強し直したりする必要はない。試験前には以下のような勉強が余裕をもってできるように、今からその態勢をつくりなさい。

(1)試験範囲が出るころには、未習のところを除き学校のワークの全部と塾のワークの基本問題を解き終えているようにする(もちろん学校のワークが優先)。これができていないために試験前に苦しむ人がすごく多いのである。

(2)ワークの、以前間違えたところを見直す。「見直す」というのは、もう一度解いてみることである。眺めているだけではだめ。

(3)各教科のワークを解き終えて見直しも済んだら、仕上げ学習用のプリントを渡します。それで最終チェックをしよう。

(4)直前になってまで数学や英語のワークを解いているようでは、結果はもう見えている。そういう事態を招かないようにするためにも、日ごろからこの2教科は特に着実に進めなくてはならない。1週間前にはやるべきことが終わっているように。

(5)理科・社会については、苦手なところのまとめを書く。似たような問題を山ほど解くより、よほど効果がある。頭の中を整理するためだから、きれいに書かなくてよい。

--こうすれば、テストだからといって大騒ぎしなくても実力どおり(以上?)の結果を出せるはずである。

この5月の過ごし方いかんによって、この1年の出来が違ってくるかも知れない。思う存分勉強してください。

試験勉強の詳しい方法については次回。

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参考書を買ってもらおう【第208号:2013年4月4日発行】

塾ではワークの問題を解くので、君たちの勉強はどうしてもワークと教科書が中心になっているようです。学校や家ではどうですか。やはり教科書とワークの世界で「閉じて」しまっていますか。

何か調べ物をするとき、とりあえずワークの「まとめ」を見る人がすごく多い。確かにそれで済むことはあるし、「まとめ」の隣のぺージの基本問題はたいてい「まとめ」に対応しているので、他の本で調べるよりそのほうが手っ取り早いこともある。だが「まとめ」はしょせんは「まとめ」。全部が書いてあるわけではない。せめて教科書か、もう少し深くわかろうとするのなら参考書にあたってみてほしい。参考書は塾の書棚にも数点置いてはあるが、自分専用の「何でも書いてある」本があれば、勉強はぐっと深みを増し、広がりも持つはずである。調べ物という目的では理科とか社会、そして英語が、参考書は役に立つと思う。

たとえば英語には前置詞という単語のグループがある。中学英語では助動詞と並んで難しいものといえるだろう。

toという前置詞を知らない人はまずいないが、適切に使える人は多くはないようだ。必要なときに使い、必要でないときには使わない、ということがきちんとできなくては、憶えたことにはならない。中3や中2の人は「そこにtoがなくてはいけない」とか「そこにtoがあってはいけない」とか、しょっちゅう言われているでしょう。

前置詞にはtoとかforとかwithとか、よく使うのでお馴染みになっているものもあれば、alongとかduringのようにたまにしか見かけないものもある。これらが同じ仲間だということは知っていただろうか。後者はなかなか憶えられないかも知れないが、実は難しいのは前者のほう。後者に比べて用法がたくさんあるからだ。こういった多くの前置詞をばらばらに憶えるのではなく、「場所を表すもの」「時を表すもの」のように種類別に勉強しておくと、使いたい場面で適切な前置詞が自然に出てくるようになるだろう。

また、前置詞をなぜ前置詞というのかを知っていると、その後には名詞とかその仲間(動名詞とか)が来るということが当たり前になり、He is good at play tennis. といった誤りをしなくなる。

だから、英語であれば英文法の参考書、たとえば文英堂『くわしい英文法』のような本を持っていて、前置詞なら前置詞のところをときどき読むようにするといいと思うのである。文法の本だから目的語とか節とか句とかの文法用語がよく出てくるが、それらにもだんだん慣れていこう。<主語と述語動詞をふくむ部分>などといちいち言っているよりも「節」のひとことで済ませた方がすっきりして、勉強もはかどるはずだから。

そこで、ともかく書店に行こう。そして、「これは便利だ」「読みやすそうだ」「持っていたい」という気になるものを探そう。選ぶ基準としては、いま自分が気になっていることがら-前置詞とか世界恐慌とかマグマの粘性とか-を何冊かの本で探して読んでみる。その説明がいちばんしっくり来る本が君にとって必要な本だ、と思えばいいのではないだろうか。それを買ってもらってください。

塾によっては参考書まで用意してしまう“親切な”ところもあるらしいが、神谷塾ではそこまでの世話は焼かない。高校に進学すると学校から指定される場合もあるが、必要な参考書はしばしば自分で探さなくてはならないし、大学に進んだり、社会に出たりすればなおさらだ。少しずつ参考書を探す力を養ってほしい。

なお、小6の社会では主に歴史を学びます。今月から小6になった人は、参考書は「小6社会」でもいいけれど、読めそうであれば中学生向けの歴史や公民の本でもいいでしょう。小学生にとっては実に十分すぎるほど何でも書いてあるし、中学ではもちろん、たぶん高校生になってからも役に立ちます。

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風邪対策【第130号:2008年12月18日発行】

[第98号に掲載したものを修正して再録します]

そろそろ冬も本番です。風邪をひいていませんか。多くの人は冬の間に1~2回は風邪をひくのでしょうから、せめて悪いタイミングでそれが来ないようにしたいですね。日常的にできる予防法を確認しておきましょう。

マスクは防御にはほとんど役に立たない。ウィルスは電子顕微鏡を使わなくては見えないほど小さいのですから、素通りされてしまいます。だから、ウィルスのいる環境では、まあどうやっても侵入されるのだと思ったほうがいいでしょう。そこで--

(1)栄養・休息を十分に。無理をしないこと。ウィルスに侵入されたとして、発症するかしないかは最終的には「自分の抵抗力」にかかっています。抵抗力が不足していると発症します。

(2)喉や鼻の粘膜が乾燥して機能が鈍らないように、部屋の湿度を保つ。目安としては、40%を下回らないように保つといいようです。一般にウィルスは乾燥した環境に強く、湿気の多い環境では弱るらしい。

(3)手洗い・うがいをマメにする。手や喉に付着しているウィルスを洗い流しましょう。

(4)わざわざ人混みの中へ出かけない。出かけても長居をしない。ウィルスがうようよしていますよ。

(5)咳をしている人がいたら離れる。咳1回でウィルスは10万個!飛び散るそうですが、そのあとどんどん死滅していくので、咳をしている人からの距離に伴ってウィルスの数は減少します。離れるのは十分に意味があります。

運悪く発病してしまったら、休むに限るでしょう。身体がウィルスと戦うのを支援するためにも、他人にうつさないためにも、それがベストです。

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10月の過ごし方【第126号:2008年9月26日発行】(第111号の記事に加筆修正)

残暑が厳しかった9月もそろそろ終わり。すばらしい秋晴れの日も多くなりました。10月は定期試験もなく、平和に過ぎていきます。高校生はたいてい学期間休みがあり、中学生は学校祭が終わったかと思うと今度は合唱コンクールがあり…と、学校の勉強はあまり先へ進まない感じがする(困ったことだ…)。中3生は学力B、高校生は模試がチラホラあるほかには、特に悩ましいものはなさそうです。

さて、学校で授業が進まないからといってそれに合わせる必要はありません。それに、1か月も経てばまた定期試験がやってきます。特に中学生で、2学期の定期試験が1回きりだという人は、要注意です。ものすご~く範囲の広いテストになるはずですよね。もうテストの準備を本格的に始めるくらいでなくては間に合わないと思いますよ。

せっかく気候が良くなり、落ち着いて過ごせるのですから、自分がするべきだ、したい-と思う勉強を好きなペースで進めるには最高の時期だといえます。ふだんは忙しく課題をこなしたりしていることが多いからこそ、じっくりと取り組める時間は貴重です。

中3の人は、自分でできるだけ勉強を先へ進めて、冬期講習の前に中学の内容をひととおり終わらせてください。数学なら「図形の相似」を経て「三平方の定理」まで、理科なら「天体」を経て「生物のつながり」のところまで、到達しておいてください。冬期講習では実際の入試問題を材料にして高校入試対策の第1次仕上げをします(※)。だから「ここはまだ習ってません」では困るのです(君たちが、です)。それに、早く勉強しておけば入試本番まで時間を稼げますよ。「習ってすぐに入試」では戦えない。学校でやるのを待っていてはだめです。また、入試の前までに学校の授業が全範囲を終了するという保証もないのではありませんか。

※第2次仕上げは1月・2月の入試直前講習でやります。

はじめは全体像をつかむだけでもいいのです。ひとまず教科書を読んでみるくらいのことはすぐにできる。それからワーク類の「章末問題」を除いた部分だけでも最後まで通してやれば、基礎的なことは身につきます。勉強を深めるのはそれからでもいい。

ただし、先を急ぐあまり上滑りにならないように。自分で納得しながら前に進むというルールを必ず守ってください。

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入試問題選択方式について【第122号:2008年6月23日発行】

道教委は、公立高校の入試に関し、標準問題とは別に難度の高い問題も一部用意し、学校ごとに選択できる新方式を実施する方針を固めました(北海道新聞6月17日朝刊)。ポイントを整理しますと次の通り。■以下は補足、または神谷のコメントです。

(1)来春=09年度入試から実施
■現中3にはダブルの制度変更。
(2)選択問題が用意されるのは国語・数学・英語の3教科
■理科・社会は従来どおり、すべて共通問題です。
(3)選択問題の配点は60点満点で15~20点程度。思考力・応用力を重視、複数の知識を結びつけて解く問題とする。標準問題の難度はそのまま
■4分の1~3分の1程度が難しい問題ということです。残り40~45点程度はこれまでどおり、解きやすい問題。したがって、上位校を受験する人は、まず標準問題は確実に取るという覚悟が必要。その上で応用問題を1問でも多く正解するという勝負になります。
(4)10月をめどに各高校が標準・応用どちらを選択するか公表
■もっと早く決めてくれ…と言いたいところですね。ただし、道教委から各高校への正式な通達はまだされていないらしく、高校はまだ何も発表できません。おそらく上位3分の1くらいの高校が<応用>を選択するのではないでしょうか。
(5)導入の理由は、上位校の受験者にとって現行の問題は平易すぎて得点に差がつかず、わずかなケアレスミスが合否を分けることになり、受験生の学力を正確に測ることができていないこと
■入試として「あるべき姿」を目指すことになります。受験生の皆さんは大変とは思いますが、 歓迎すべき方向ととらえましょう。

さて、それでは道コンはどうなるのか?また、受験生はどうすべきなのか?そして、神谷塾はどうするのか?ですが…

まず道コン。「本物そっくり」が特長のひとつでしたが、本番との大きなちがいは「複数の高校の合格可能性を判定する」ことにあります。ある高校の判定をするためには、対象となる受験者が全員同じ問題を解いていなくてはなりません。すると、国・数・英に関しては出題方法に何らかの変更を加えなくてはならない。遅くとも11月道コンからは何らかの対応があるはずです。

受験生は、準備として私立高校を含めた全国の多くの入試問題にあたって実力を深めるのが正攻法でしょう。ただし、基礎・基本があってこその実力。やみくもに応用をやるのは逆効果です。

神谷塾では、もともと応用・発展的内容に踏みこんだ指導を心がけてきています。したがって普段の指導にブレはありません。ただし、少なくとも中3の夏期・冬期の講習会では従来以上に「応用問題への対応」を強調していくことになろうかと思います。

私としては、いろいろな面で「やりやすくなった」というのが正直な感想です。神谷塾に通っている皆さんは泰然と構えて、努力を続けてください。がんばっていきましょう。

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教科書を通して読む【第119号:2008年4月7日発行】(第75号の記事に加筆修正)

合唱でも、吹奏楽でも、他の形式の合奏でもいいから、何か大きな曲を練習する…と考えてみてください。集まるたびに違う部分を細切れに練習していても、なかなか曲になりませんね。もちろん個人練習が前提だし、合わせるのが難しい箇所はそこだけを取り出して何度もやってみる必要がある。それでも、全体での練習のたびに一度ずつくらいは通して演奏してみるでしょう。そうすると、だんだん曲の全体像がつかめてきて、それぞれの部分の曲中での位置づけが見えてきます。そして、
  A 「難しい」「責任が重大」「決めたい」「失敗できない」
    → したがって 「きっちり個人練習しなくてはならない」
ところと、
  B 「難しくない」 「余裕がある」 「楽しめばよい」
    → したがって 「Aほど力を入れなくてもいい」
ところとがそれぞれに身体になじんできます。あとはAの箇所を中心にした個人練習と、Bの箇所を含めて集中した全体練習をする。限られた期間で曲を仕上げるにはこういう方法がとても有効です。

さて勉強の話です。まず社会。新しい教科書をもらいましたね。まずザッと目を通してしまおう。詳しく読むのは学校でそこの授業があるときでいいとして、パラパラ…と、何度も何度も目を通そう。そうするうちに、全体がつかめてくる。とくに歴史には 「ストーリー」 があるのだから、(そんなに面白い文章ではないだろうが)最後まで読んであらすじをつかむことをお勧めする。イラストや写真を見ていくだけでもいい。中学生の歴史だったら、かなりの絵や写真は小6社会で見た憶えがあるもののはず。そして、
  A 「勉強した記憶がない」 「なんだか難しげ」
    → したがって 「きっちり勉強しなくてはならない」
ところと、
  B 「勉強した記憶がある」 「少しやれば思い出せそう」
    → したがって 「当面のところ心配はない」
ところとが見えてくるだろう。

英語の教科書も、知らない文法や単語がきっとあるのだけれど、まず読み物として読んでみよう。挿し絵が理解を助けてくれるので、何の話であるかくらいはわかりそうなものだ。内容や単語を憶えようとしなくていいから、ひととおりページをめくってみよう。

数学や理科は、いま勉強しているその先に何があるのかを見ておくだけでいい。ずいぶん見通しが違ってくるはずだ。

関連して勉強法をひとつ。高3や中3なら理科・社会の用語問題集をやっている人がいるだろう。「一日一ページ」などと決めて少しずつキチンと進めるようにしがちだが、長く中断したり、飽きてやめてしまったりすると効果は上がらない。だから、ザッとでいいから「時々全部やる」ことにするといい。あまり根を詰めないように。毎回毎回ノートに全部の答を書くのは無理だから、答はそこに赤字で書いておいて、赤色のプラスチック板で隠して練習する。

いわゆる暗記物は反復が大切。その分スピード重視でいくのだ。憶えてしまったものはそのうち飛ばしていけるようになる。また逆に「いつも答えられない問題」が浮かび上がってくる。それを別紙にリストアップして強化するという工夫もできる。やってみてください。

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眠れぬ夜のために【第115号:2008年1月16日発行】(第99号の記事に加筆修正)

受験を控えている人は、この先体調を崩さぬよう十分注意し、万全の構えで試験場へ行けるよう備えてほしいものです。--しかし。試験前夜となり準備は万端、あとは寝て起きて試験場へ行くだけだ!となっていざ床へ就いてみると「ぜんぜん寝つけない!…」ということが起こりえます。寝つきの良さに自信のある人もそうでない人も、こればかりはその時にならないとわからない。そこで、眠れなかったらどうするか? をアドバイスしておこう。

まず、「眠らなくたって平気だい」 と自分に言い聞かせること。--ああ、やっぱり緊張して眠れないんだ。わたし(おれ)って、意外に繊細…とでも考えて、そのまま朝まで目を閉じていよう。それだけで頭や身体は休まるし、朝までにどこかで多少は眠っているものです。まちがっても、起き出して気休めの勉強など始めてはいけない。そんなときに限って調子が出てしまい、朝まで勉強し続けてしまって、本来起きるはずの時間になったら猛烈に眠い!などという事態になるのは絶対にまずいのだ。軽い飲食も、程度にもよるが胃が休まらなくなるのでなるべく避ける。横になったまま、懐かしい友達のことでも思い出しているのがいいだろう。そのうちに、きっと眠りに落ちるはず。

仮に、眠れなかったり熱があったりして体調がベストでなくても、大丈夫。人間、大事な勝負のときにはどうにかするものです。神谷のとおーい昔の経験では、1浪のときの共通一次試験(いまのセンター試験)の前夜にプレッシャーで全然眠れず、おまけに試験会場までのバスで具合が悪くなったりして、さんざんなコンディションでした。が、試験が始まってみると案外シャンとするもので、まともな成績だったのを憶えています。

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カバンに新書を一冊 【第112号:2007年10月23日発行】(第82号の記事を一部修正)

本を読め読めとご両親にも、学校の先生にも、あげくに塾でも言われるけれど、いったい何を読めばいいのだろう。かなりの人がそう思っていますよね。あるいは、ベストセラーと呼ばれるものはよく読んでいるけれど他の本には手がつかない、という人もいるでしょう。そこで<新書>のすすめです。

ともかく書店に行ってみるというのは本探しには有効な方法だ。琴似2-7の 「くすみ書房」 に行くと、各出版社の文庫がずらりと並んでいるし、「中学生はこれを読め」 というコーナーがある。学習参考書や雑誌やマンガのコーナーにしか足が向かない人にも、大いに参考になるはず。

ところで、入試の現場で初めて目にする文章を読み、理解し、設問に的確に答えるには当然日本語の能力が必要で、日常的に活字に触れる生活をしている人とそうでない人とでは能力に差があるのもまた当然。特に<評論>(中学生的に言えば<説明的文章>)を読みこなすには、そういうタイプの文章を日ごろから読むようにして、言葉の力を磨いておく必要がある。そこで新書が役に立つのです。また、視野も広がる。

新書では、著者が得意とするジャンルの注目すべきテーマがコンパクトに論じられているので、論理を追う練習になるし、あるテーマについてザッと知りたいときには非常に役に立つ。学者と呼ばれる人たちの中にも、何か新しいことを勉強するときは新書からという人は少なくないようだ。君たちも自分の興味をひくタイトルの本を何冊か仕入れてみよう。

ある程度大きな書店なら必ず新書のコーナーがある。講談社現代新書・岩波新書・中公新書などが見やすく並んでいる。はじめは岩波ジュニア新書や講談社ブルーバックスが手に取りやすいだろう。また、理論社から出ている 「よりみちパン!セ」 のシリーズは他社にない興味深いテーマを用意している。

高校生の場合、評論を読みこなすにはそこに登場する術語に慣れておく必要があり、理解の鍵となるのはしばしば哲学の術語であったりする。だから哲学の入門書にあたっておくのも重要だ。その入門書にはぜんっぜん入門らしくないムツカシイ本も多いが、講談社現代新書には 『子どものための哲学』 『哲学の謎』 『じぶん・この不思議な存在』 など、読みやすい本がいくつもある。

なお、<いつ読むか>については、列車や地下鉄で通学している人はその時間が絶好。徒歩・自転車の人は就寝前あたりがいいかも知れない。高校では朝読書の時間を設けているところも珍しくなく、(10分かそこらで終わってしまうところが残念だが)それぞれの生徒が新書を持ってきて読書にいそしみ、受験にも成果をあげているそうである。

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姿勢を正しく 【第105号:2007年5月1日発行】(第73号の記事を一部修正)

いま現在の自分の姿をちょっと確認してみてください。
   ・イスに浅く座って、ふんぞりかえっていたり
   ・膝をガッと広げていたり
していませんか。思い当たった君。今から心がけて、正しい姿勢で座ろう。姿勢が悪いと血行が悪くなり、疲れやすいはず。神経系統における信号の伝達にも支障がありそうだ。とすると、連続して勉強に集中できる時間も違ってくるだろう。<正しい姿勢>のポイントは
   ・イスに深く座り
   ・背筋を伸ばし(骨盤の上に背骨を垂直に立てる感じ)
   ・膝をそろえる(内腿の筋肉を使う)
といったところであろう。君たちはイスに座っている時間が非常に長いのだから、しばらく毎日意識してみると改善も早いはず。「自分の姿勢はいま美しいか?」と、ときどき気にするといい。

それから、脚を組んでいる人。脚を組む習慣は長期的に骨盤や腰の関節をゆがめ、背骨が曲がったり、広がった骨盤に内臓が落ち込んだりして、結果として体型が崩れたり肥満を招いたり(!)するらしい。左右の脚の長さが違ってきたり、女性の場合は出産にも支障をきたすという。…というわけで、気分転換程度ならいいが、脚を組みっぱなしにするのはやめよう。

ヒトの身体は<直立歩行>という大変難しい運動を可能にするために絶妙のバランスを保っている。骨格が正常であれば筋肉は骨格を動かすことに「専念」できるので、柔軟性を保つことができる。しかし骨格にゆがみがあると、全身のバランスを崩すまいとして一部の筋肉が慢性的に緊張する。それで凝る。肩凝りや膝痛のある人はたいてい腰のあたりに問題があり、それが根本の原因で肩が凝ったり膝が痛かったり、脚や腕がしびれたりするようだ。

ついでに、歩きかたについても言っておこう。ポイントは
   ・足首を柔軟に動かし
   ・足の裏で床や地面をしっかり蹴って(足をひきずらない)
   ・適正な歩幅で(無理のない範囲で、できるだけ大きく)
   ・左右の足の軌跡が直線になるように(弧を描いてはだめ)
といったところ。座る姿勢と同様、「美しく歩いているか?」が目安になるはずである。

姿勢を意識することは、とても重要だ。座りかたや歩きかたが悪いと長期的に腰や膝を痛める。身体の軟らかいうちは平気でも、放置すると早ければ二十代で、遅くとも中年になったころ、辛いことになるだろう。今から注意するのに越したことはないのです。

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「もちかたくん」【第98号:2006年12月18日発行】

以前から皆さんのエンピツの持ち方が気になっていたので、「エンピツの持ち方練習用アタッチメント」のようなものがないかと探したところ、標記のものがトンボから出ていました。シリコン製で、持つ手に違和感がありません。何人かに「モニター」になってもらったところ好評のようでしたので、小学生だけでも塾にいる時間はできるだけ使ってもらおうとと思い、1ダースほど用意しました。

「左手で押さえなさい」の件といい、姿勢が悪いとか、エンピツの持ち方が悪いとか、まるで「書き方教室」です。自分がなんだか「小言じじい」みたいになってきているな、とも感じるこのごろ。
「算数の塾じゃなかったのか」 
「とんでもないところに入ってしまった」
と思われているかも知れませんね。しかし、姿勢にしてもエンピツにしても、必ずや集中力に良い効果を及ぼすはずですし、いま直すことができれば一生ものです。だから強制してもいいだろう、と。

自分のエンピツの持ち方を見てください。かなりの割合の人が、人差し指の第2関節(指先から数えて2番目の関節)から先がカタカナの「ノ」の字のように湾曲して、エンピツの軸を下へギュウと押しつける恰好になっているでしょう。実は私も40年来このスタイルで、不自由はないものの 「正しくはないよな」 と自覚していました。以下、これを「ノの字型」と呼ぶことにします。

「ノの字型」ではエンピツの軸は人差し指から離れてしまいますが、「もちかたくん」で矯正すると、人差し指はむしろ自然に丸く外へ曲がり、エンピツの軸にそっと寄り添う感じ。それでムダな力がエンピツに加わらず、柔らかなタッチで筆を運ぶことができます。「ノの字型」に慣れていると、正しい持ち方は初めはなんとも頼りなく、長時間続けられません。筋肉の使い方が違うこともあって、疲れてしまうのですね。それで小学生諸君が勉強がいやになってもいけないので、慣れないうちは漢字の練習をするときだけ、ということにしました。

さて、これに関連して気がついたことがあります。シャープペンシルで書く子がやけにポキポキポキポキポキポキポキポキ…と芯を折るのはなぜだろう…と漠然と気になっていたのですが、「ノの字型」で書いているからではないでしょうか。細い芯を紙にエイヤと押しつけているのですからね。無理もありません。

「もちかたくん」は中高生のみなさんにも、ご家庭の大人の方にも、もちろんお勧めです。私も、生徒にやらせる手前、自分で実行できなくてはならないので、小学生を教えている時間を利用して一緒に練習することにしたら、効果が上がっています。心掛けひとつで直せるということです。試してみたい人には貸してあげますので、中高生の人も気軽に申し出てください。

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左手で押さえなさい【第97号:2006年11月20日発行】

右利きの人が文字を書くとき、左手は紙やノートを押さえているものだと思います(左利きの人の場合は右手のことになります)。紙やノートを固定するためにもそうすべきですし、自然と身体は前傾し、集中しやすくもなる。『ドラゴン桜』の最新の単行本(16巻)にもそんなことが書いてありました。また、そのほうが見た目にも美しい姿勢になるものです。

小中学生のみなさんを見ていると、左手が机の上に出ていない人が少なくありません。左手で押さえていないものだから紙がぐらぐら動いて書きづらく--習慣化していると、「書きづらく」も感じないのでしょうが--しっかりした字は書けていませんよね。しばしばぐちゃぐちゃの、筆圧も弱い、“見ていられない”文字になりがちです。左腕がだらんと下がって腿の上になんとなく載っていたりしますから、身体が全体に左下がりに傾き、姿勢もよくありません。姿勢が悪ければ、やはり集中もできていない。そんな気がします。

習慣化していると二、三度注意されたくらいでは直りませんから、見かけたらその都度注意することにしています。私はそういうことが気になってしかたがない人間なので(笑)何度でも言いますし、言うのに疲れてくると左腕をつつくとか、いろんな手を使っていますね。本当は、自分で注意できるといいのですよ。

実は、このことは勉強のときに限りません。みなさんは、(右利きの場合)食事のときに左手をどうしていますか。日本の通常の食事では、食器に左手を添えるのが自然だと思います。でないと、美しくないのです。もっとはっきり言うと、見苦しい(笑)。

君たちは、将来、好きな人とふたりで食事に行ったりすることがきっとあるでしょう。場合によっては相手の家に招かれて、家族と一緒に食事ということにもなるでしょう。そのときに、左手のことをふくめて食べている様子が見苦しいと、うまくありません。君がどんなに外見がよく、内面も素晴らしい人だとしても、食事のしかたがまずいだけで幻滅されるおそれがあります。へたをすると
「あなたとはもう一緒にお食事したくありません(→サヨナラ)」
などと言われかねません。どうですか。こわいでしょう(笑)。

周囲の人への気配りとしても食事の作法はきちんとすべきだし、左手に関していえば、勉強するときに注意していれば食事のときにも応用がきくというものです。ぜひ気をつけてみてください。

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公立高校入試の問題用紙がA4サイズに【第96号:2006年10月23日発行】

来春の入試(現在の中3が受験)から、公立高校の入試問題が従来の「B4版(2ツ折)」から「A4版冊子」に変更されます。変更は問題用紙だけで、解答用紙は従来どおりB4のまま。試験時間も45分で変わりありません。問題冊子の見本は北海道教育委員会が設けているこちらのサイトに掲載されています。

版が変わるだけで問題の形式は従来と変わりありませんが、大きく変わる感じがするのはまず表紙がつくこと。表紙には注意事項が書かれているだけなので、試験開始前から問題を読むことはできなくなります(透けて見えるかも知れませんが)。これは、入試としては従来そうでなかったのがおかしいくらいで、歓迎すべきことだと言えます。また、大問ごとにページが変わり、全体に計算や下書きのためのスペースが増えます。

以下、教科ごとにいきましょう。

国語 … 従来はレイアウトの都合でか古典が大問三でしたが、配置が変わるようです。道教委の見本では、一 韻文(詩歌)、二 文学的文章、三 説明的文章、四 古典 となっています。
数学 … 大問一の小問集合で2ページ取る以外は、大問ごとに各1ページとなる模様です。計算などゆったりと書けそう。
社会 … 6つの大問のそれぞれで見開きの2ページを取る模様。
理科 … 基本的には8つの大問のそれぞれに各1ページ。問題文・図表の分量によっては2ページに。
英語 … 4つの大問のそれぞれで見開きの2ページを取る模様。

さて、理科と社会に関しては、従来は問題文と図表がギュウギュウ詰めになっていたのが、かなりゆったりした感じに改善されます。一方、理科では実験・観察の記述をより詳細にすることができるようになるため、問題文の文字量が増える可能性も大いにあります。つまり、これまでも理科は5教科の中で(たぶん)最も文字が多くて読むのが大変(=国語の問題よりも読解力がいる)だったのが、さらにその傾向に拍車がかかるかも知れないということです。「読んでも読んでも問題が終わらない」という事態すら予想されますから要注意です。

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サマータイムのすすめ【第91号:2006年6月20日発行】(第61号の記事に加筆修正)

サマータイム(=夏時間)というのを聞いたことがあると思います。夏期に日の出が早くなるのに合わせて、仕事や学業の時間帯を前にシフトする(移動する)のです。終業後もまだ外は明るいので、いろいろ有効な使い方ができそう。夜間の電力消費が減るはずなので、いくぶんか省エネルギー効果もあると言われています。一昨年の夏からは札幌市内の一部の職場で実験的に実施されていて、今年も行われるようです。

EUや北米の多くの国々ではすでに社会全体で実施されていて、4月~10月に時計を標準時よりも1時間進めています。日本では1948年から4年間実施されたことがあるのですが、おおむね緯度の高くない日本ではたいした効果も認められず--つまり、そんなに極端に昼が長くなるわけでもないので--、その後はたびたび議論されながらも実施には至っていません。狭いとはいえ、日本列島は南北・東西ともに長く、北海道では(標準時)午前4時にはもう明るいのに、沖縄ではまだ真っ暗。たしかに日本全体で実施しようとすると都合のいいことばかりではなく、また労働時間が増えるのではないか(始業時刻が早まるだけで、終業時刻は早まらないのではないか)という理由などでの反対も多い。

ただし、ヨーロッパなみの高緯度にある北海道では、夏期は昼がすごく長くなるので、物理的にはサマータイムの実施にはぴったり。“地の利“を活かさない手はありません。そこで提案。「ひとりサマータイム」を実行してみてはどうだろう。いつもより1時間(以上)早く起きて勉強するんです。気分がいいはずだし、はかどるにちがいありません。電車やバスで通学している人は、きっと空いているだろうから、もしも学校が開いているのなら、1時間早く登校するのもいいのでは。

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すべての受験生へ【第86号:2006年2月6日発行】(第72号の記事に加筆修正)

まだまだ厳しい寒さが続きますが、日射しは力強くなってきました。受験生はもうひとがんばり、最後まで粘り強く過ごしてください。

持てる時間のすべてを勉強に費やすのは当たり前。大切なのは、この時期だからこそ深い勉強を心掛けることです。もうすぐ入試だからといって、その場しの ぎのことをしても得点に結びつきません。数学と英語は毎日やりましょう。でないとせっかく養ったカンが鈍る。理科や社会は苦手分野のまとめをこれまで同様 に続けるといい。何もかも納得ずくで進めよう。曖昧にしないこと。答えられて当然のことが正しく答えられるように。少しでもモヤモヤしていたら、何かが足 りないに違いない。

やり残しがあって気分が重いかも知れない。不安でたまらないかも知れない。「夏休みからもっと勉強しておけばよかった」「秋に気をゆるめなければよかっ た」「思えば冬休みもまだ本気ではなかった」…などと後悔している人もいるだろう。だが、とかく受験というのはそういうものである。もう開き直ることだろ う。<やり残し>について言えば、あって当然なんです。範囲の狭い定期試験などでないかぎり、隅々まで完璧に準備するのはもともと非常に難しいことだ。こ れから進学し、さらに就職してからも試験はあるだろうが、完璧に準備して臨めることはまずないと思っていい。今回の受験を含め、その日までに身につけた知 識や思考力で勝負する度胸も必要です。

よく言われるように、生活が夜型になっている人はそろそろ朝型に切り替えよう。試験の始まる午前の時間帯にアタマが絶好調になっていなくてはならないか らだ。一度思い切り早く起き、除雪などして身体を動かしてから朝食をしっかり摂るといい。夕食を早めに終えるようにし、夜食は摂らない。午前零時までには 就寝しよう。睡眠不足ぎみのときは、学校から帰ってから仮眠するといい。

余計な世話を少々。消しゴムは2個以上持っているといいだろう。いつも使っているやつのほかに新品をひとつペンケースに入れておくと、何かと安心です。 シャープペンシルで書く人は、芯切れや故障に備えて3本くらい用意する。定規・コンパスも忘れないように。会場でも貸してもらえるが、自分の手持ちの道具 で戦うほうが絶対にいいはず。

あとは試験会場へ早めに到着して、少しでも自分に余裕を与えることです。最後まで諦めずに、がんばれよ!

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「単語を10回書いて憶えなさい」【第83号:2005年11月21日発行】

久しぶりに勉強法の話です。表題のようなことを先生から言われたり、自分で決めたりして実行している人も多いことと思いますが、この件について一言。

100の英単語を10回ずつ、延べ1000個書くことにして練習したい。ただし労力の点から1日に100個書くのが限度なので10日でやる、というとき、

  (1)ひとつの単語を連続10回ずつ書き、単語を変えて10単語、
   1日に延べ100個書き、単語を変えて10日繰り返す

  (2)100の単語をそれぞれ1回ずつ書き、これを10日繰り返す

--では、どちらが効果が上がると思いますか。

たとえば“New Horizon“中3の Unit 6 には century, report, scientist, environment, pollution, …といった新出単語が出てきます(100個もありませんが)。これを、(1)の方法なら
  century century century century … (10回)
と書き、(2)の方法なら
  century report scientist environment pollution …
と書いていくのです。お勧めしたいのは(2)の方法です。

(1)で century century century century …とやっていると、3回めくらいからはすらすら書けるようになるに決まっていますね。しかし退屈だ。そして次の日には忘れてしまっている可能性がある。それに対して、(2)ではそれぞれの単語を書くたびに毎回新鮮。また数日同じメニューで繰り返しやっているうちに、「モノになった感じがする単語」と「そうでない単語」の差を感じ始めるだろう。モノになったと思ったらその単語は仕上がったことにして、不安なものに絞って練習するとよい。

実際の英文では同じ単語を2回繰り返して書くことはめったにありません。3回繰り返しとなると皆無ではないでしょうか。だから、(1)のように本来はありえない単語の羅列を機械的に、退屈な思いをしながら書くよりも、教科書の1単元に出てくる(したがって互いに関連がある)単語を並べて書くほうが、記憶もしやすいはず。

退屈そうな作業も、やり方しだいで面白く、効果的になるものです。(1)でやっている人は、ぜひ(2)を試してみてください。

なお、類似のテーマとして漢字の練習があります。「泳」を10回書くとするとき、飽きてくると「シシ…」「永永…」とやりますよね。やったこと、あるでしょう。これはもう、早く終わらせるためだけにやっているに過ぎず、意味がありません。時間と労力の無駄です。これも、小6なら小6の漢字を毎日1回ずつ、全部書くようにする。毎回新鮮で楽しく、定着のしかたも違ってくるはずです。

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衆院選によせて 【第80号:2005年9月12日発行】

【第61号:2004年6月28日発行の記事を改変して再録】

衆議院議員総選挙がありました。参議院と異なり、衆議院は議員全員を選び直すので「総選挙」といいます。君たちはまだ選挙権がないのだし、今回はとりわけ争点が見えにくかったから、関心を持てなかったかも知れませんね。無理もないとも思います。ただし、選ばれた議員は税金から多額の給料を受け取り、国会の決議に関わり、大臣をやったりもして、政治を動かしていきます。慎重に選ばれねばなりません。

だから「この人に政治をやってもらいたい」と思う人を選ぶべきだし、そのために選挙をするわけですが、このところどの選挙でも、政治を任せたいと思わせる人物が候補者の中にめったにいません。“選べない“選挙になってきているのです。それで神谷は毎回困っています。お父さん・お母さんも困っているのではないでしょうか。

さて、そこで君たちだが、こういうときこそ「どの候補者が議員によりふさわしいか」を、新聞の情報などを頼りに判断する練習をしてほしい。有名かどうかだけで決めてはいけない。一方、自分の考えにいちばん近い人(政党)に投票するのも場合によりけりだ。神谷はかつて青年のころによくそういう投票をしていたが、中年になってそれではダメだとわかってきた。当選の見込みが全くない人に入れても、その一票は「死票」となってしまう。当選させたくない人物=敵を利するだけなのだ。投票に行かないのも同じ結果を招くことになるだろう。それならば、当選しそうで、かつ比較的まともな候補者に入れたほうが、より望ましい政治が行われる可能性が大きい。投票というのは難しい、君たちの言葉で言えば「ビミョー」な行為なのである。

君たちがやがて社会の一員となるときまで、ぜひ憶えておいてほしいことがある。社会を誤った方向へ進ませないための基本中の基本は、<ひとりでも多くまともな人物を議会(国会・道議会・市議会)へ送り込む>ことなのだ。この60年というもの、選挙権を持つ一人ひとりがずっとそれを心掛けてきていたら、日本は今ほどひどいことにはなっていなかったはずなのだが。

候補者のうち、どの人物がよりまともか。これを判断するには、広い意味での<学力>が必要だ。政治や経済、社会の現状と未来のことを広く深く考える努力をしなくては、誰に投票すべきかわからない。自分のためにも、子孫の幸福のためにも、勉強しなくてはならないのである。

(話は急におおげさになるけれど)君たちは、もしかしたらイラクとかアフガニスタンとか、生命の危機にさらされる地域に生まれていたかも知れないのに、たまたま日本に生まれた。爆撃や地雷や飢餓や凍死の心配をすることなく学業に専念できている、この幸運を生かそう。今のうちにできるだけ力をつけて、青年と呼ばれる年齢になったときには世界中の仲間の役に立つ方向を向いて行動してほしい、と強く願う。選挙権を得たら投票に必ず行くのはもちろん、よく考えた投票をするのもそのひとつである。

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部屋を片づけると数学が得意になる…かも? 【第79号:2005年8月22日発行】

8月14日の日本経済新聞「家族会議」に、「片づけの苦手なお父さん」のことが取り上げられています。その中に、ある医師の談話として「片づけが苦手な人は、ものごとを順序通りにできないなどの傾向がある」「注意力が散漫で、今やっていることを完結しないまま別の事柄に関心が向く」--と気になる記述があります。

片づけが得意な人というのは、たとえば
  (1)<毎日持ち歩くもの><保存するもの><文房具><秘密の物品>などなどの所在を自分で決めて
   「これは○○だから△△に入れる」ということを日々実行している
あるいは
  (2)何か捜し物があるときに「そういうものはここに入っているんじゃないかなー」などと言いながら
   たちまち発見してしまう
ような人でしょうね。こういう人とそうでない人との間には、長期的に大きな差がつくように思いませんか。

だとすると、「片づけが苦手」と「(数学など)論理中心の教科が苦手」との間には何か関係があるかも知れません。大脳はひとつですからね。少なくとも、モノの整理が自然にできる人は頭の中も整理されていて、新しい情報の置き場所もすぐに決まるので、未経験のことでも自分の脳内回路にスムーズにあてはめて考えられるのではないでしょうか。

苦手教科があって、かつ、自分の部屋(または自分のスペース)が散らかってるなーと思い当たる人は、自分でルールを決めて整理するように心掛けてみましょう。すぐに効果が現れるかどうかはともかく、勉強の環境が整うだけでも違ってくるはずですよ。

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進路を考えよう(3)勉強の推進力として 【第78号:2005年7月18日発行】

進路を早めに考えるべきだと言うのには、「高1の途中で調査されるから」という以上に重大な理由がある、と前回書きました。その話です。

中学生諸君にはなかなか想像できないかも知れないが、高校入学後の勉強は内容の点でも量の点でも、それはそれは大変だ。公式ひとつ理解するだけでも、その時間や労力は中学時代の比ではない。

何が大変かと言えば、筆頭は数学にちがいない。“宇宙人“のようなやつ(各高校に1人か2人はいるかも)でないかぎり、楽々と数学をやっている高校生はまずいないと思っていい。神谷塾に問い合わせてくる高校生が何でいちばん苦労しているかというと、10人中9人が数学、1人が英語、または物理・化学という感じである。

高校の勉強は学問への入口だ。どんなに優秀な人でも共通の訓練を通過しなくてはならない(湯川秀樹だって因数分解の訓練をしただろう)。イチローのスイングをテレビで見ているだけではヒットを打てるようにならないのと同様、先生が解くのを見ているだけでは問題が解けるようにはならない。そのために課題が出されるが、その量がまことに膨大で、他教科の勉強をしているヒマがないくらい。体育系の部活などやっていると、これがまた非常にきついので、夜は起きていられない。時間がかかる点では英語も同様なので、英語から勉強を始めるとその日の勉強は英語だけで終わってしまい、数学の課題をちょっとさぼるといつの間にかわからなくなっている。そのまま放置すると脱落しかける。

そんな危うい状況で--神谷塾へ来てくれるのがベストだと思うのだが--「なんとかしなくては」と心の底から思うか否かがおそらく分かれ道になる。

そこで、自分の進路への意識が必要になるのである。いちばんわかりやすいのは理工系が志望の場合。大学入試はもちろん、大学入学後も卒業後も、数学をがんがん使わなくてはならない。必要な数学の全部を他人から教わることはできない(!)ので、必要なら独習もしなくてはならない。そんな将来を希望しているのに、高校数学あたりで脱落しているわけにはいかない。そう思えれば、きっとがんばれる。

それほどではなくても、入試で数学を課すところを志望するのであれば「将来がかかっている」という点では事情が似ている。入試で戦える程度には高校数学ができなくてはならない。そう思えれば、きっとがんばれる。

こういう話は数学に限らない。英語だって、入試にないところはまずないし、理系なら理科、文系なら地歴公民が数学と同等以上の重みをもつに違いない。

高校で5教科まんべんなく好成績を取ることは極めて困難で、優先順位をつけて勉強するのが普通だが、将来の方向が大ざっぱにでも決まっている人は勉強全体に積極的である。量からして当然のこととはいえ、自由になる時間のほとんどすべてを勉強に充てているので、成果が上がっている感じがする。いっぽう、目的意識もなく、ただ学校の授業に追随していっているだけの人は苦しい。自主的な勉強の時間は中3のころを下回るのではなかろうか。中学時代はけっこう華々しい成績だったのに高校ではいまひとつ、という人にはこういうタイプが多いような気がする。

中学のうちはさしあたり高校入学が事実上の目標になっていて、60点満点で何点欲しいとか取れたなどと言っているうちに過ぎていくが、高校の勉強はそんな漠然とした思いでやっていけるほど甘くないのである。大学へ進むとして、君はどのような方面の学問(仕事)をしたいのか、中学生のうちに考え始めることを強くお勧めする。どこの大学のどの学部学科でそれが学べるかは自ずと決まってくるし、塾でも相談に乗れるから、自分の好みや適性というものを早めにつかんでもらいたい。

それは学校の勉強をしているだけでは無理だ。ご家族や周りの大人と話したり、本で情報を得たりしなくてはならない。本は塾の書棚にもある。大学で○○をやるために今これをしっかりやっておきたい、やれなくてはならない、という明確な意志があれば、それが推進力となって勉強は前に進むだろう。

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進路を考えよう(2)文系・理系を数学だけで決めない 【第77号:2005年6月20日発行】

「理系は数学ができないとだめ」「文系なら数学はやらなくていいか、簡単だ」という話は、文系理系という大雑把な枠組みではある程度当たってはいるものの、学部学科ごとに考えると大雑把すぎて正しくない、と前回書きました。その説明です。

●理系は数学が苦手では無理か

無理とは言わないまでも、理系には数学が苦手だとつら~い分野が確かにあります。いわゆる理工系という方面で、理学部や工学部の、数学や物理学・化学の基礎のところを掘り下げたり、逆にがんがん使い回したりするところ。だから数学が非常に苦手だったり嫌いだったりする人は、この方面は避けた方がいいでしょう。ただし、こんな理系ばかりではありません。理系でも、医歯薬系や生物学系では一般に高等数学を駆使したりはしません。むしろ、来る日も来る日も同じ実験を繰り返したり、実験動物の世話をしたりと、根気とか集中力・体力が要求されます。これも大変ですが、そのテーマが好きで普通に勤勉な人なら大丈夫。

つまり、理系にも「数学ができなくてはまずい理系」と「そうでもない理系」がある。国公立大理系の2次試験では数学の配点が最大のところが多いけれど、それは理科2科目分と同等であったりします。君なりの作戦を立てて、合計点で勝負できるようにすればいい。神谷塾ではそのあたりの相談にも乗っています。

●文系は数学が苦手でも平気か

「数学の必要な文系」の筆頭は経済学。私大の経済学部では有名どころでも入試に数学のないところがあるが、だからといって数学がはちゃめちゃな状態で入学すると、入学後もはちゃめちゃになりやすい。経済学部に入る気なら、高校で数学Iはもちろん、数学IIIも少し勉強しておくといい。また、心理学とか社会学とか、統計処理の必要な学問はたいへん多く、統計の理屈というのは数学そのもの。数学との縁は切れません。

法律学はどうかというと、背景として数学が必要になってきます。法律を憶えるだけでも大変だが、それでは済まない。法律をどう使うかというところで論理的な思考が要求されます。「数学は苦手だけど論理には自信がある」という人はあまりいない気がしますね。そもそも、論理的思考の不要な学問というものはないのだし、論理的思考の訓練に最適な教科が数学なのです。だから高校生は数学を学ばなくてはならないし、文系学部の入試にも数学があるのは、その訓練ができているかどうかを試したいからだと思ってよさそうです。

理系・文系の選択は、数学ではなく、理科・社会を基準にすべきだと思います。地理・歴史・公民が好きでもないのに文系に進んだら大変だ。法学部とか経済学部で学ぶことの基礎は中学・高校の公民。高校で少なくとも面白いと思えるようになっておかないと、大学で困ったことになるだろう。大学入学後にももちろん試験はあり、合格しないと単位がとれず、それがまた必修科目であると進級できなかったり卒業できなかったりする。入試の数学ができないことよりもはるかに深刻です。また理系でも、数学は好きだが理科はそうでもない、という人は、理学部の数学とか工学部の情報といった方面が合っているかも知れません。

--要は、君自身の志望や適性・持ち味をよく考えて進路を考えナ、というごく当たり前の結論にたどりつく。

さて、進路を早めに考えるべきだと言っているのは、「高1で調査されるから」というだけではない。もっと重大な別の理由がある。次回はそこを書くつもりです。

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進路を考えよう(1)文系か理系か 【第76号:2005年5月23日発行】

おもに高校生向けの話ですが、中学生の人(特に中3生)もすぐに高校生になるわけなので、一読してください。

大学へ進学するとして、君は何を学びたいですか。ご承知だとは思いますが、例外的な一部の大学を除き、大学はいくつかの細かい「学部」という組織に分かれ、各々がちょうど小さな大学のように独立して教育・研究をしています。学生もふつうは1年次から所属学部が決まっていて、入試もそれぞれの学部ごとに行われます。

さて、そこで、大学進学希望の君は何学部を目指しますか。大学というのは学問をしに行くところだ(!)から、きちんと考える必要があります。まず、文系・理系ということばについて。

文系(文科系)というのは、大雑把にいって人間の精神活動とか社会活動を扱う方面で、たとえば北大なら文学部・法学部・経済学部・教育学部。理系(理科系)は基礎から実用にわたって自然を研究する方面で、北大なら理学部・工学部・農学部・水産学部・医学部・歯学部・薬学部・獣医学部。こんな名前の学部があります。何をしているのか、名前でだいたい見当がつく学部もあるし、そうでもない学部もある。たとえば農学部は実用的な生命科学を研究するところで、農業を学ぶところだと認識するのは数十年ずれています。北大の教育学部は小中学校の教員を養成するところではなく、人間の成長や発達、人間関係全般を学問するところです。

医師は医学部、薬剤師は薬学部というように、その職業に就くために特定の学部を卒業していなければならない場合は、学部の選択で迷うことはない。話は早い。難関なので、入試の突破に全力を注ぐことになります。が、そうでない場合は、そういうことは高3になってから考えればいいのでしょうか?…答はノー。いま高校生の人はご承知のように、高校では高2か高3で文系・理系に分かれます。大学入試センター試験の受験科目が増えてきたので、生徒全員が共通して学ぶ科目が増え、以前は早々と高2で文理に分かれていた高校でも高3から分かれるように変わってきています。ならば高2あたりでゆっくり考えればいいかというとそうでもなく、高1の途中でおおよその方向を決めるように迫られます。進級したときの各科目の履修者数を高校側が早めにつかみたいためだろうか。

すると、大学へ行こうとは思っていても、大学で何を学ぶかを考えたことのない高1生は大変困ることになる。それで、もしも数学があまり得意ではないとすると、両親や先輩や友だちや先生?が「理系は数学ができないとだめ」「文系なら数学はやらなくていいか、簡単だ」とよく言うので、「じゃあ文系にしておくか…」という選択になってしまう。そして、一度どちらかに意思表示すると、高校によっては変更がきかなかったりもします。

神谷がこの塾で高校生の面倒を見ようと思い立ったのはまさにこのあたりに理由があるのですが、上の話は文系理系という大雑把な枠組みではある程度当たってはいるものの、学部学科ごとに考えると大雑把すぎて、ほとんど迷信である場合もあるんです…と、ここまで書いたらスペースが尽きてしまった。以下次号です。

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「苦手征服ノート」を作ろう 【第71号:2005年1月17日発行】

間違えた問題、解けなかった問題の復習として中学生には道コンの数学レポートを以前から義務づけていますが、「道コンだけに限るのはもったいない」と、こ の正月に思いつきました。ぜひ日常の勉強に採り入れてほしい。まず数学で始めてみよう。要領がわかってきたら、理科などでもやってみよう。

(1)問題を書き写す。図があればもちろんそれも描く。量が多くて大変なら、コピーを取って切り貼りする。

(2)図や表がなければ描く。図なしで解けそうでも描く。そして図に書き込まれた情報だけで答の見当をつける。正しく解けなかったということは、そこで問題に されている数量のイメージが明らかでないということだ。解説を読んでその場はわかったような気になっても、図にできなければわかり方が浅いのである。
 また、図がなくても解けそうな簡単な問題を図にできないなら、図なしでは意味をつかめないような複雑な問題は絶対に解けないと思うべきである。だから簡 単そうな問題でコツをつかむ必要があるのだ。

(3)式と途中の計算を詳しく書く。筆算は必要なら書けばよいが、筆算だけではだめ。筆算は式ではない。

(4)正解をきちんと書く。単位があれば必ずつける。

(5)自分がどう間違えたかを書く。(2)に混ぜてもよい。なぜ間違えたかもできるだけ分析する。

(6)気がついたこと、<教訓>として得られたことを書く。たとえば「方程式の解を求めたら必ず代入して確かめる」

●問題と考え方が同じページにあることが重要で、1ページに1題が理想的。このノートは後で読み返すとたいそう役に立つはず。紙がもったいないからとギュ ウギュウ詰めて書くと、どこに何が書いてあるかわからず、もっともったいないことになる。

●問題の出典(出所)は、道コンはもちろん、教科書・学校のワーク・学校の課題・学校のテスト・塾のワーク・塾のプリント・通信添削…と、何でもいい。自 分の苦手な問題があちこちに分散している状態よりも、ノートに収録して集中管理したほうが便利なのである。

●間違いが発生した順番に、どんどん書いていけばよい。手間をかけて書いたノートは、整理がついていないようでいて、何がどこに書 いてあるか自分ではよ く把握できているものである。教科を混ぜるのだけは避けること。

●名前は「苦手征服ノート」でも「弱点ノート」でも、何でもいい。書いていくうちに、それは自分だけの参考書になっていくはずである。

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地震に備える(下) 【第70号:2004年12月13日発行】

今回は「どんな地震を警戒すべきか」という大きな話です。

北海道は「北米プレート」に載っています。その太平洋側では、「太平洋プレート」が東から移動してきていて、北米プレートの下に沈み込みながら西側へ押しています。押された北米プレートは日本海でさらに西側の「ユーラシアプレート」と押し合う形になっています。この構造から、大きくタイプ分けして以下(1)~(3)の震源域が想定されます。

まず(1)北米プレートと太平洋プレートとの境界。これは道東にしばしば大震災をもたらしているのでよく知られていますが、札幌は震源から比較的離れているので震度4を上回ることはあまりありません。プレート境界では(2)北米プレートとユーラシアプレートとの境界のほうが近いので、むしろこちらを警戒すべきでしょう。中学や高校の理科でも従来の報道でも太平洋側のプレート境界ばかりが強調されていて、一般にはあまり意識されていません。しかし、1993年の北海道南西沖地震はこの境界で起きていますし、今後巨大地震の震源となるであろう空白域(過去に地震が発生していない地域)が積丹半島の先のほうにあります。

さらにもうひとつ、東西から圧縮の力を受けるために(3)北米プレートの内部で破壊が起こることがあります。最近よく報道されている「石狩低地東縁断層帯」で発生する場合がこれですし、まだ見つかっていない活断層もあるかも知れません。札幌市民としては「直下型」として警戒すべきものです。震源が非常に近いので、エネルギー規模(マグニチュード)が小さくても大震災となる可能性があります。

以上は基礎知識として押さえておきましょう。さて、ではこういった「地震の巣」に囲まれている私たちは、今日にも起こるかも知れない大地震におびえて暮らさねばならないのでしょうか?--それは合理的ではなさそうです。プレート境界型巨大地震の間隔は100~200年、活断層の動きはおよそ1000年に1回と見積もられていますし、これも統計的にはじき出された数字ではありません。地球の寿命を100億年と仮定すると人間の寿命のおよそ1億倍(!)で、地球の活動のタイムスケールもまた、人間の感覚を超越しています。大地震を経験せずに一生を終える人のほうが圧倒的に多数なのです。大地震が来たら“運が悪い“のだと割り切るべきでしょう。

日常的・習慣的に実行していける備えをしていくのが精一杯でしょうし、それが最善だとも言えます。地震対策はものすごい労力のかかるものだと思い込んでしまって何もしないよりはるかに有効ですし、いっぽう「防災グッズ」一式を買ってきてそれで安心してしまうのもまた問題があるでしょう。大地震が来ても2~3日間は飢え・渇き・寒さをしのげるような備えをし、いつ地震が来ても適切に行動できるような「心の準備」をし、地震が来たその時には無事に生き延びるとともに火災を出さないよう専念すればいいのだと思います。できることから実行してみてください。なお、次の本が大変参考になりますのでご紹介しておきます。

神沼克伊(かみぬま かつただ) 『地震学者の個人的な地震対策-治にいて乱を忘れずの法』 (三五館、1999年、1400円+税)

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地震に備える(中) 【第69号:2004年11月29日発行】

前回は大地震の「その時」について書きました。では、大地震の「前」といいますか、日常はどんな備えをすべきなのでしょうか。

(1)最も重要な対策は、潰れない家に住むことでしょう。1981年6月に建築基準法の改正があり、耐震基準が強化されています。それ以前に建てられた家屋は 注意したほうがいいでしょう。次のホームページで、家の耐震診断ができるようになっています。
・日本建築防災協会 「誰でもできるわが家の耐震診断」
・北海道建築指導課 「わが家の耐震診断」

(2)寝床のそばにはできるだけ家具類を置かないようにします。本棚やタンスの横で寝ている人は要注意です。

(3)室内にガラスの破片が散乱することがあるので、運動靴かスリッパ、手袋、厚手の靴下をすぐ取り出せるようにしておきます。ドライバーなどの工具類や医薬 品も。懐中電灯は手探りで探し出せる場所に置いておきましょう。

(4)家具の転倒防止は十分にしておきましょう。金具で壁に固定する方法はよく知られていますが、壁や家具を傷つけるのを避けたい方や家具の移動が面倒になる のでおっくうだという方は、家具と床との間にかまぼこ板などをかませて壁側に傾けておくだけでも十分な効果が期待できます。また、天井と家具との間にお菓 子などの紙箱をつめておくと、固定にも、クッションとしても、意外に優秀なはたらきをするようです。手軽にできる対策ですのでお勧めです。ガラスのある家 具にはガラス飛散防止フィルムも張っておきましょう。

(5)電気が来なくなると、季節を問わず大変です。特に冬場は心配ですね。電気が来るまでの当座をしのぐために、以下のものがあるといいように思います。
・電気なしで暖房できるように、昔ながらの石油ストーブとポリタンク2個くらいの灯油。携帯のカイロもあるといいでしょう。
・電話線をつなぐだけで(電源なしで)使える電話機。これも昔ながらのものです。携帯電話は充電できなければ使えなくなります。
・携帯用のガスコンロや、登山/キャンプ用のバーナーがあれば大いに役に立つでしょう。

(6)水が来なくなることも考えて、常時少なくともやかん1個に水を満杯にしておきます。流し台のボールと風呂桶にも水を張っておけば、手や食器を洗うほかト イレの水にも使えます。

(7)保存食料はなかなか用意する気にならないという方が多いと思います。だとすれば、加熱しなくても食べられるもの(パンや果物)を余裕を持って買い置きし ておくのがいいのではないでしょうか。

(8)日中は家族が別々に行動しているでしょうから、家が無事でない場合に備えて、集合場所を決めておきましょう。

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地震に備える(上) 【第68号:2004年11月15日発行】

新潟中越地震でご親戚やお知り合いが被災された方がおられましたら、この場を借りてお見舞い申し上げます。この機会に、というと不謹慎な気がしますが、 ちょうどみなさんの意識が高まっているだろうと思いまして、地震防災について3回ほど書いてみます。

何よりもまず大切なのは、ゆれが治まるまで無事でいることですね。今回はこれです。

震度6から7にもなる直下型ではタテにもヨコにもむちゃくちゃに揺れるので、何もできないと思ったほうがいいそうですが、直下型でなければ、P波による初 動からS波による大揺れまで「一瞬」以上の時間的余裕があります。その「一瞬」のすきに素早く対応します。

(1)学校の校庭のように広々とした場所にいるときは安全です。まず危険はないので、じっとしていればいいです。

(2)建物の中にいるときは、物が落ちてこない所、なるべく壁か太い柱のそばに身を寄せ、姿勢を 低くしてじっとしていましょう。ガラスが割れて飛んでくるおそれがあるので、窓から離れて背を向けていましょう。強い地盤の上に規則に従って造られた建物 なら(手抜き工事などなければ)、鉄筋コンクリートのビルは普通は安全です。木造家屋の中にいるときは、丈夫なテーブルか机の下などに身を隠しましょう。

(3)火を使っていたら消さねばなりませんが、最近はストーブが倒れたらすぐに火が消えるように なっていたり、ある震度以上の揺れではガスの供給が自動的に止まる※ようになっていたりと、それなりに対策が進んでいますので、無理に火を消したり元栓を 閉めたりしなくていい場合もあります。
  ※北ガスの場合、メーターがマイコン搭載型であればおよそ震度「5強」で自動停止するそうです。

(4)建物がいままさに倒れようとしている場合を除き、あわてて屋外へ出てはいけません。屋内に 入ろうとしてもいけません。落下物でけがをしたりしやすいのです。

(5)列車やバスの中にいたら、残念ながらこればかりはどうしようもありません。だからといって 列車やバスに生涯乗らないわけにもいきませんから、そのときはあわてず騒がず、自分の周囲に起こることに臨機応変に反応しつつ、運を天に任せるよりほかな いでしょ う。

(6)たまたま海岸にいたら、海岸から離れた高い場所にできるだけ早く逃げること。津波が来るか どうかラジオで言うのを待っていると、その前に津波が来るかも知れません。

--と、いろいろ心得ておきたいことは多いのですが、最も重要なのは心の準備であろうと思います。「いま地震が来たらどうする」と時々考える習慣をつけま しょう。火を消そう、あそこに逃げ込もう、と頭の中でやってみるのです。そうすると、本当に地震が来たときにも適切に対応できる可能性が大きい。「地震の ときにそこにいると危ない」場所をチェックしておくこともお勧めします。

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シラカバの根 【第67号:2004年10月25日発行】

遅くなりましたが、9月の台風18号上陸のとき、ご家庭ではご無事だったでしょうか。シラカバ(シラカンバ)やポプラが根こそぎ倒れていたのは凄まじい風 景でした。なかなか見る機会のないものですが、今回公園などで1本や2本は見かけた人が多いのではないですか。神谷は自宅すぐ上の「宮の丘公園」に犬を連 れて散歩に行った際、シラカバが散策路に沿ってことごとくダーッと倒れてしまっているのを見ました。

珍しい匂いでもするのか、犬が木の下に潜り込みたがります。それを制しながらハテナと考え込みました。犬が入ろうするその空間には根がありません。だから 入っていけるわけですが、シラカバの葉は網状脈、分類では双子葉類です。「主根」があるはずなんだけど。折れたのか?…よく見てみましたがありません。根 はほぼ幹と直角の方向に伸びているだけで、非常にバランスが悪い感じ。そんな浅い根でよくもこれまで立っていられたもんだ!…と思うほどです。

中学理科の公式どおり「双子葉類は(全部)主根・側根」だと思っていましたし、背の高い木にはそれ相応の(バランスのよい)太く長い根がズドン!と伸びて いるような気がしていました。が、違うようです。いろいろ調べたり、知人にメールで質問したりして、結局次のような見解に達しました。
●シラカバは植物の遷移(移り変わり)の初期のグループ。土壌(柔らかく養分のある層)が浅く根を深く伸ばせないような環境で育つ
●根こそぎ倒れたやつで見えている根のうちの太いのが「主根」に違いないが、それが何本もあるので「主根」という感じがしない
●そのように“設計“(DNAで)されているので、根を深く伸ばせる土地でもやはり浅い根をはってしまう。意外に臨機応変でない
●成長が早い代わりに寿命も短く、また根が浅いから台風で倒れたりする。だから次の植物のグループに交替しやすい
--入試には絶対に出ないであろう話ですが、主根といっても1本とは限らないし、地球の中心に向かって伸びるとも限らないということでしょう。

生物は多様で、学校の勉強の枠に収まらない例外がいくらでもあります。たとえば、サメはれっきとした魚類ですが胎生で、母親の胎内で共喰いをする種類もあ るらしい。「双子葉類には主根がズドンと1本」とか「魚類は卵生」とかいうのは、主流はそうであるというだけの話のようです。基礎を学ぶ時期に珍しい例外 を知っている必要はないかも知れませんが、このように奥の深いところが生物は難しく、また面白いともいえましょう。

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『新しい科学の教科書準拠問題集』+『新しい理科の教科書』
【第65号:2004年9月13日発行】

神谷が検討委員をしていて、中学生の皆さんには塾指定教材として持ってもらっている『新しい科学の教科書』(文一総合出版)に、準拠問題集ができました。 学年別、各945円(本体900円+税45円)です。I巻10章「震える日本列島」とI巻8章1節「世界の気候」は神谷が担当して執筆しています。

また、これより一足早く、小学生用の『新しい理科の教科書』(小3~小6)も出版されています。神谷はこれにも検討委員として参加しています。表紙が可愛 い!

どちらも休憩コーナーに置いてありますので、手に取ってみてください。書店で買えますが、ご希望の方にはお取り寄せをします。

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手順を守る 【第60号:2004年6月14日発行】

野球評論家の豊田泰光さんが「手順守らず上達の道なし」という題でいいことを書いています(日本経済新聞、6月3日付)。詳細は省きますが、道具の進化や グラウンドの変化が守備をはじめとして選手に手順無視の動作をさせている、という文脈で「上達の基本が手順の順守にあるのは変わらない」と強調、基本をい やになるぐらいみっちり練習してこそ本物になれる、と述べています。そして、「『イチローみたいに軽く振れ』という指導者はイチローのフルスイングのすご さを知っているか。精一杯振っても鈍いスイングしかできない人が力を抜いてどうする。カーブもきちんと投げられない投手がフォークを覚えてどうする」と。

なるほどねーと感心したのと同時に、「本気で解こうとしてもミスの多い人がテキトーにやってどうする」というフレーズが浮かんでしまった。--自己流はだ めだ。数学には守るべき“作法“がある。必ず守れ。でないと実力がつかない--と、この塾ではさんざん言われますね。気分はよくないだろうが(笑)、数学 は基本の技術を身につけておかないと、どこかで暗礁に乗り上げるのだ。音楽やスポーツを習ったことのある人は、基本技術の大切さをよく知っているだろう。 数学や他教科の勉強も同じだ。そして、その上に<正統派>の勉強が成り立つ。

教科によって細部は異なる※1が、<正統派>に共通する姿勢は<納得できるまでねばる>ということ。納得できないと気持ち 悪いだろう。その感覚を大事にする。そして、納得できないうちは先へ進まないことにする。数学などはこの方法が最も有効な教科であろうし、数学が得意にな るためのコツはまさにこれである。授業を聴いたり活字を追ったりするのはあくまでも外部からの助けであって、「納得」は自分の内部でしなくてはならない。 誰かに代わりに納得してもらうわけにはいかない。孤独で地道な作業なのだ。

この孤独さ・地道さに堪えられない人は、<ごまかし型>の勉強をしてしまう危険があるだろう。つまり、“とりあえず“答なり解き方を憶える。たとえば、速 さの問題をことごとくハジキの公式で処理する。速さ・時間・距離の関係の実感がつかめないまま正解が出てしまうが、わかった気にはなれず、すごく気持ち悪 いはずだ。

中3数学では展開の次に因数分解を学ぶ。因数分解は展開の逆だが、頭の中では(割り算をするとき掛け算をしながら考えるように)分解したものをまた展開し てみるという作業をする。だから展開をみっちり練習しておくと、その計算のための脳内回路が強化されているので、因数分解を学び始めて間もなく、ほとんど 瞬時に正解が出るようになるものだ※2。手順をしっかり守れば苦労はない。それを、手順を守らず、つまり展開の練習が不十分なのに 因数分解を“瞬時“にしようなどとすると、めちゃめちゃに※3なってしまう。あるいは、(まるで九九のように)憶えてしまえ!とい う作戦に出る人もいるかもしれない。たとえば (x±a)2 のタイプの展開・因数分解は、aを1桁の自然数とすれば9×2=18通りしかないからね。しかし、aは2桁の場合も分数の場合もあるのだし、そもそもこの タイプは展開・因数分解の中でも特殊で簡単なほうだ。「憶えてしまえ」作戦はすぐに頓挫する。正統派のほうがよほど楽である。

正統派は効率が悪い。時間がかかる。だが、この塾のシステムは、素晴らしいことに(笑)時間の制限がない。正統派でやる人を支援したいからだ。“初心者“ のうちから勉強に効率など求めてはいけない。気が済むまで正統派でやろう。そうするうちに、ひとつひとつの作業が速くなってくるはずだ。

1 社会科などのある部分では、まず「慣れることが大事」とされることもある。たとえば「なぜ天皇が日本国と日本国民統 合の象徴なのか?」という疑問に対して、納得のいく説明はなかなか得られないであろう。
2 高校数学でも展開や因数分解を学ぶが、さすがに高校レベルだと“瞬時“に答が出ることはあまりない。暗算もほとんど不可能。
3 「めちゃめちゃになった」と思ったら、そうなった場所をさかのぼって調べ、そこからやり直すこと。これはこれで立派な<正統 派>である。

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年金問題によせて 【第59号:2004年5月24日発行】

仮にも教育者のはしくれとしれは、この紙面を使って明らかにすべきではないかと考え、書いておきます。わたくし神谷は年金保険料未納の時期があります。年 金保険料の納入は、納税の義務に匹敵する重みがあることです。すみません。ひとこと反省の意を表させてください。どこかの国の総理大臣のように、シラを切 るつもりも、開き直るつもりもありません。

この『塾だより』では、社会のできごとにはめったに触れません。マスメディアに専門家が書いたり話したりするのに期待していればいいだろう…という“逃 げ“の姿勢ですが(笑)、書いてみてもいいかなと思うこともある。社会科の学習に関連することであれば注意を促したいし、ここに書く内容は大したことなく ても、新聞や本を読んでみるきっかけになるかも知れないから。

というわけで神谷の“年金未納問題“ですが、まず32歳でサラリーマンをやめて塾講師になるとき、厚生年金から国民年金へ切り替える際に1か月の “空白“があります(おおざっぱに言えば、20歳以上で、会社に勤めている人は「厚生年金」、そうでなければ「国民年金」に加入し、保険料を支払う)。サ ラリーマン時代、入社時から厚生年金に加入、退職時に脱退しました。前の塾はまだ会社ではなかったので国民年金に加入したのですが、手続きの遅れから空白 が生じました。弁解するわけではありませんが、うっかりしていました。ホントです(笑)。あとで気がついて空白を埋めようとしたのですが、「時効」になっ ていてそれはできませんでした。これでホゾを噛んでいる国会議員も多いことでしょう。

もうひとつは、浪人中に20歳になりましたが未加入でした。当時予備校生に加入義務があるのかどうか知りませんでしたし、今もよくわかりません。あの総理 大臣もそうだったでしょう。彼の場合、開き直るのがいけない。

さて最近の日本は、何か非のあるかに見える人が現れるとよってたかってバッシングするという、非常にいやな国になっています。社会が不安定で、それに堪え きれない者が「うっぷん晴らし」をしているのだと言われますが、「皆が石を投げているので自分も投げちゃえ投げちゃえ…」というような軽さもあり、きわめ て不愉快です。集団ヒステリーとはまさにこういう状況なのかも知れませんね。年金で言えば、1か月の「うっかり未納」も20年の大ドロボーも一緒くたに バッシングして「ああせいせいした」で済ませている人が多そうです。

さて、今回、年金についてはある大事な点がほとんど語られていない気がします。日本の年金は賦課方式といって、保険料は自分が将来受け取るために払うので はなく、今の高齢世代を支えるために払うものです。だから、自分がたとえ大金持ちで将来年金が必要なくとも、払うべきなのです。お金のある人にはナンセン スでしょうし、おそらく、高齢世代の生活は税金で支えるほうがわかりやすく、合理的なのでしょう。しかしながら、現行の制度に国民の多数が従っているとい うのに、政治家たちが未納を決め込んでいたのは許し難い。年金制度の価値を理解している人も、払う気がなくなります。今の「その場しのぎ」の改革法案がた とえ成立しても未納者は減らないでしょう。まず廃案にして、年金制度の不備を全部洗い出すところから始めなければ、何も解決しません。

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この時期にどうして?…と思うだろうが 中学生のテスト勉強 【第58号:2004年5月10日発行】

5月です。昔の中学では1学期にも中間試験があって、ちょうど5月がそのシーズンでした(定期試験が年5回あったのです)が、いま5月は何気ない毎日が風 のように過ぎてゆくだけ。連休が終わり、4月のほどよい緊張感も薄れ、3年生は見学旅行の準備があったり、学校によっては早々と出かけたりする。そんな日 常だけれど、学校は学校として、君たちは<自分だけの勉強プログラム>を持っているわけだから、着々とそれを進めること。“マイペース“というのはそうい うものである。

試験が近づいてからようやく勉強らしきものを始める…のでは満足な結果が得られない。2年生以上の人はもう重々承知のことと思う。普段やっていないものを 急にやろうとしてもできないし、まとめてやったところで効果は上がらない。得意教科は学校よりも少し早めに、苦手教科は遅れないように、日頃から着実にや りなさい。そうすれば、それがそのまま自動的にテスト勉強になっているはずであって、直前になって初めから勉強しなおしたりする必要はない。テスト前には 以下のような勉強ができるように、今から態勢をつくりなさい。

(1)ワーク類の間違えたところをやり直す。数学はこれだけでよい。時間が限られているので、数学にあまり時間をかけないこと。
(2)テスト範囲が出るころにはワーク類をやり終えているようにする。そのころ試験対策用のプリント集(数学はなし)を解答つきで配るので、あとはそれを使っ て実戦的に勉強。全部やらなくてよい(やってもよい)。
(3)苦手なところがあったらノートにまとめを書く。似たような問題を山ほど解くよりよほど効果がある。
(4)前日には、「手つかず」になっているであろう実技教科をやる。教科書・ノート・プリントの見直しをがっちり。

--こうすれば、テストだからといって大騒ぎしなくとも実力どおり(以上?)の結果が出るだろう。この5月の過ごし方いかんによって、この1年の出来が 違ってくるかも知れない。塾でも家でも学校でも、思う存分勉強してください。

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テレビを消そう【第56号:2004年4月5日発行】

特に理由もなくテレビが点けっぱなしになっている家庭は少なくないと思います。一度消してみましょう。全く見ないのではなく、見たい番組が始まる時に点 け、終わったら直ちに消せばいいのです。テレビが消えると、そこには静かで豊かな時間が生まれます。夜の時間が2倍も3倍も長くなったように感じられるは ずですよ。雑音が排除されてこそ家族の会話は成り立ちますし、読書もできます。子どもは勉強をしてもいい。省エネにもなります(実際、日本中のテレビ点 けっぱなし世帯のすべてが電源をオフにしたら、どれほどの節電になるでしょうか)。日本の多くの家庭は、テレビに侵略されています。テレビに奪われた時間 を取り返してみませんか。

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「検定外」理科教科書について 【第31号:2003年2月3日発行】

文部科学省の教科書検定を通すことを考えず、理科教育のために必要な内容を自由に取り上げ、かつしっかりした体系で編集した教科書が出版されます。 『新しい科学の教科書I、I、III--現代人のための中学理科』(文一総合出版)。京都工芸繊維大学教授の左巻健男氏が中心となり、全国から200人を超え る大学教官や小・中・高教員らの手によって制作されました(私もできるなら参加したかったのですが、この話を知ったときにはすでに編集が終わっていまし た)。出版社からパンフレットが届いていますので、中2・中1の生徒に配布します。来年度からの理科の教材として当塾で採用したいと考えていますので、ぜ ひ目をお通しください。

 「教科書には肝腎なことが書いてない」というのは理科では従来から言われていたことで、昨年改訂の新教科書からその傾向がますます強まりました。それで は書店の学習参考書が頼りになるかと言えば、それもまた教科書準拠になってしまっていて--でなければ売れないようなのです--、あとは塾の教材くらいで した。その塾の教材にしても、最近の軽量化の趨勢で危ういかぎりです。そこへこの本が登場したのは朗報でした。

学年別に3巻に分かれています。生徒にはまず各学年の本を持ってもらうとして、さらに希望する人には前の学年(新中3であれば最大全3巻)をご用意 したいと思います。塾の書棚にも1セット置きますので、必要ならそれを見ればいい、という人はそれで構いません。

昨年は新聞で取り上げられたり、今月から書店に並んでもいますので、ご父母様の中にはご承知の方もいらっしゃると存じます。書名にもあるように<現 代人として必要な知識>が豊富に採用されていますので、お子様の教材としてだけではなく、ご家庭の財産としてお持ちになるのはいかがでしょうか。一般書籍 ですので書店でも手に入りますが、塾で一括購入しようと考えています。

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脱「電子辞書」のすすめ 【第34号:2003年3月18日発行】

最近の多くの高校生にとって、英語の辞書は電子辞書を持ち歩くのが流行のようです。英和も和英も広辞苑も類語もあれもこれも入っていて、本を全部買 うより安かったりするし、軽くて携帯に便利。みんな持ってるし…といったいきさつのようですね。ただし、狭い液晶画面に出てくる文字情報の量はかなり頼り ないもので、スクロールや選択・実行の操作をしないと次の情報は出てこない。必然的に、急ぐときや面倒な--そんなことがあるとは思わないけれど--とき には最初の語義で“済ませ“て、なんだかわけのわからない訳をこしらえることになってしまいそうです。

紙の辞書(中辞典)であれば、多くの単語は半ページ~1ページの範囲ですべての語義が記載されており、どんな品詞で用いられ、どんな優先順位なのか がすぐに目に入る。子細に読まねばならないのは電子も紙も同じだが、「短時間で情報の全貌を目にすることができる」のだから、勉強の“効率“の良さでは紙 の辞書に圧倒的な分がありそうだ。

アドラー&ドーレン『本を読む本』(講談社学術文庫)には「辞書というものは、言語の成長、発展の過程に見られる結晶ともいうべき情報の宝庫なので ある。このことをはっきり認識すれば、読者は個々の単語の下に記されているさまざまな意味を読むだけでなく、それらの意味の順位とか関連性も読みとること だろう」(p.187)とある。辞書は読むものであるといわれるゆえんである。本になっているからできるのであって、液晶画面では読みづらくていけない ね。

また、紙の辞書には挿絵がよくついていて、言葉では面倒なことも一目瞭然だったりする。たとえばHumpty-Dumptyを引いてみたまえ。神谷 が使っている研究社の中辞典には挿絵があって、どんなやつなのかすぐにわかるようになっている。今のところ電子辞書では画像は難しいだろう。

そもそも昔から高校生が使っている「中辞典」というものは鞄に入るように設計されていたはずで、もともと携帯用です。文明の利器のおかげで荷物が軽 量化するのは便利なことに違いないが、勉強や学力までが「軽量化」してしまっては、元も子もない。

電子辞書は、英語に熟達してボキャブラリー1万語だとか、半分英語で仕事をしているとか、そういう(そこに辞書がなくてもきっと大丈夫な)状況の人 にとってかつての『ポケットコンサイス』に代わるものであるだろう。君たちのように修行中の身としては、鞄にいつも入れておけるという点では「持っていて もいい」ものではある。ただし、「ないよりはまし」なものに過ぎないという認識も必要だと思う。英語の苦手な人は、一度紙の辞書に戻ってごらん。単語を引 いたらよく読むのだ。決して時間を惜しんではいけない。そうして地道にやっているうちに、変化が現れるはずです。

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医学部や薬学部への進学を目指す高校生へ 【第35号:2003年4月7日発行】

神谷の学生時代からの友人・知人が北海道大学のあちこちの学部で教授や助教授や助手や技官をしています。彼らとは年に1~2回話をする機会があり、 最近は先月、ちょうど入試も終わったころ、農学部に勤めている友人と話しました。--自分たちの受験時代とは入試の様子もずいぶんと変わった、昔は「理Ⅱ系」にポンと入れば薬学部への移行もそんなに大変ではなかったが、いまは入試の時点で高学力でないと薬学部には入れないよ--こんな話をしながら、<生命科学>の研究についてある知見を得たので、以下に簡単に伝えておきます。

君がもしも医師や薬剤師の免許取得を目的に進学するのであれば、医学部や薬学部へ行かなくてはならない。でないと国家試験の受験資格が得られないか らね。そしてご承知のとおり、北大なら医・獣医・薬の順に難関で、倍率もぐんと高いし、全国から高偏差値の連中がわんさか受けに来るから、ちょっと勉強が 得意なぐらいでは受からない。他の国公立大学でも状況は似たようなものだ。

ところで、医師や薬剤師を目指しているのではなくて、<広く生物の実学的な研究がしたい>という動機の人もいるのではないだろうか。たとえば化学物 質と人体との関係。たしかに医学部や薬学部にそのあたりをやっている研究室は多いのだが、実は理学部や農学部や工学部にも関連する研究室はある。本人に意 欲さえあれば、友人の話では「結局のところ、どの学部にいても決定的な違いはない」らしい。生命科学は今や分子レベルでの研究が中心で、<分子生物学>を キーワードに検索可能な研究室が様々な大学・学部に存在する。そして分子生物学ならば、「学 部」という基礎のレベルではむしろ理学部の生物系や農学部のほうがよりふさわしいのかも知れない。

いまは理系の学生が相当の割合で大学院に進学する。同じ学部・学科の大学院に進む人が多いが、他大学の院へ行ったり、同じ大学でも別の学部の院へ進 むことが珍しくない。学部ではたとえば農学部へ行ったとして、「やはり人体がらみの研究がしたい」となれば、大学院から薬学や医学へという道も開けてい る。北大医学部には他の学部を卒業した学生のための修士課程というのがあり、そこの某教授は馬力のある学生(=弟子=研究要員)をほしがっているそうだ。

指導する側としては、医学部や薬学部に合格するために頭脳が擦り切れてしまったような学生よりは、入学時にとくに高偏差値でなくても、いきのいい学 生のほうが望ましい。研究がものになるかどうかと入試の偏差値との間の相関というものはなく、たとえば来る日も来る日も同じ実験を繰り返すことができる根 気であるとか、成功の きっかけをつかんだら2~3日不眠不休で実験できる体力であるとか、教官や仲間の院生とうまくやっていける協調性であるとか、性格の明るさであるとか、ど うもそんなところで決まるらしい。偏差値が70でなくてもいいのである。「むしろ、余力を残して大学に入ってきてほしい」--とそいつは言っていました。 参考になればと思います。

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中学生へ:数学・英語では早く高校レベルへ踏み込め 【第36号:2003年4月21日発行】

高校での勉強は、中学までのそれとは質も量も全く違う。同じ3年間だが中学とは段違いに密度が高い。だから、すでに大学進学を志しているのなら、できるだ け早く高校の数学や英語の勉強を始めてほしい。大学入試の準備の時間を増やすことができるからだ。

神谷が中高生のころは中学数学の内容がすごく多かったので、高校数学の教科書はいまよりも薄かったのだが、それでも全範囲を習得するのは難事業だっ た。最近は中学の教科書が薄く高校の教科書が厚い。英語にも同様のことがいえる。それを以前と同じ3年(週5日になっているので実質もっと短い)という期 間でやってしまおうというのだから、高校は生徒も先生も大変だ。

今年度の高1から新指導要領が実施され、君たちが習う高校数学は内容が削減されたものではあるのだが、大学入試の難しさの質までが変わるものではな い。もしも人気の高い大学・学部に行きたいのであれば競争相手は全国にいるので、「全国で2番目に高校入試が易しい」といわれる北海道の、いま通っている 中学での成績や評価というものがほとんど意味をもたないことがわかるだろう。中学のペースに自分の勉強を合わせていてはだめだ。中学校は、君たちの高校入 学後のことに責任を持ってはくれないのである。

--そこで、数学と英語のどちらか得意な方、できれば両方で、勉強を自力でどんどん進め、中3の秋くらいには中学レベルを終えて、早く高校の勉強を始め るとよい(それでようやくかつての中学3年生と同等になる)。そのときが来たら参考書を紹介しよう。勉強時間の半分以上を数学・英語に割き、他教科は残り の時間でテキパキと進めなさい。

「それよりもまず高校に合格することが先だ」と思う人も多いだろうが、数学・英語で高校レベルに踏み込んでおくことは受験には絶対にプラスなの だ。見通しの良さが格段にちがってくるからだし、英語にはそもそも中学・高校のレベルの境界などない。また、せっかく意欲も力もあるのにいつまでも中学レ ベルに留まっているのは、自らの成長を抑え込んでいるようなものである。この塾では君たちがどこを勉強するのも自由だし、なんでも答えてあげる。安心して 先へ行きたまえ。

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高校生の模試の受け方 【第37号:2003年5月6日発行】

高校生のみなさんは定期試験の勉強はベテランだろうから、模擬試験の受け方について。学年が進むと模試が増えますね。3年生はマーク式と記述式とが毎月 のようにあったりする。忙しいですね。これにどう対応しますか。「また模試か」と流されるように受験しては判定を見て一喜一憂を繰り返す…のでは芸がない し、本番でも悲惨な目に遭いかねない。偏差値や判定は確かに気になるだろうが、それぞれの模試で出てくる偏差値そのものにはたいした信憑性はない(まず実 際の受験とは母集団が違う。出題形式が違う。科目もぴったりではなかったりする)。だからそういうものにはあまりこだわらないようにして、毎月毎月の模試 を受験勉強のペースメーカーにするのがいい作戦だと思う。模試には入試のシミュレーションという面もあるが、そう考えるのはもう少し実力をつけてからでい いだろう。

模試の前に準備するとしたら、地歴公民や理科です。模試を利用してときどき知識のメンテナンスをする。数学・英語・国語は直前になにか慌てて詰め込 んだ ところで意味はないですね。それどころか、それでたまたまヤマが当たった形で高得点を取ったとしても実力どおりではないわけなので、もともと怪しげなもの である偏差値や判定がよけいに不正確になってしまう。スッパリと何もしないほうがよろしい。その代わり、“常に臨戦態勢“(いつ試験でもOK)という一定 のテンションを維持しよう。

試験が済んだら、解説と突き合わせてよく復習すること。予備校の模試の問題はよく練られているはずである(自分のところの浪人生を合格させるために 重 要だ から)。復習すれば効果は倍増するだろう。たとえ判定がどうであろうと、モトを取った気分になれます。

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『子どものための哲学対話』(永井均=著、内田かずひろ=絵、講談社、1997 年)  【第41号:2003年6月30日発行】

本の紹介です。哲学の専門家による、小学校高学年向けの入門書です。(新しい本ではありません)

小学生に哲学なんて無理だろう、などと思わないでください。哲学史や哲学用語の知識がない小学生の時期には、かえって純粋に自前のことばで--著者は「素 手で」と表現しています--「哲学すること」ができるのではないでしょうか。易しい言葉で書かれていますし、予備知識も必要ないものですが、哲学的な内容 には一切の妥協はありません。本格的です。

目次を眺めると、興味を引くテーマが並んでいます。

  • こまっている人を助けてはいけない
  • うそはついてもいいけど、約束をやぶってはいけない
  • 学校には行かなくてはいけないか?
  • 物は見えるからあるのか、あるから見えるのか?
  • クジラは魚である!

 本文からも、神谷がナルホドと思った箇所をいくつか。

  • 友情って、本来、友だちなんかいなくても生きていける人たちのあいだにしか、成り立たないものなんじゃないかな?
  • (青い鳥は)「あとから青く変わった」でもなければ、「もともと青かった」でもなくて、「<もともと青かった>ってことにあとから変わった」 なんだ。
  • 学問は、本来、勉強なんかじゃないさ。この世でいちばん楽しい遊びなんだよ。

中学生にも高校生にも大人にもお薦めできる本です。どこからでも気軽に読み始められますし、 じっくり読んでも「いつの間にか読み終えている」タイプの本です。何度も読み返すといいでしょ う。塾の書棚にありますので、手にとってみてください。

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高3生へ 【第51号:2003年12月8日発行】

高校の定期試験はすべて終わり、あとは大学入試だけですね。センター試験の準備を着々と進めていることと思いますが、センターの準備だけに明け暮れないよ うに注意してください。今からセンターまでは40日くらいですが、センターから2次前期までは正味30日くらいしかありません。2次のことはセンターの後 で…と思っていると、おそらく時間切れになるはず。積分の計算技術など、練習を休むときっと忘れてしまうよ。それに、もしかしてセンターでなにがしかのダ メージでも負うと(そう思っておいたほうがよい)、2次の準備になかなか入れなかったりするので、2次を意識し続けるべきです。また、センター試験のこと で頭がいっぱいだと、すごいプレッシャーがかかって実力が出せないかもしれません。「センターでちょっとくらい失敗しても2次で挽回するんだ」と自己暗示 をかけておくと、センターでもうまくいくでしょう。2次の配点のほうが高い人はなおさらのことです。

前から言っていることですが、漠然と「たくさん取れますように」と念じていても、それはほとんど神頼みで、望んだような状況にはまずなりません。各教科で <確保したい点数>を計算し、取り組むべき課題を明確にして、残された時間で合理的な準備をしてほしいと思います。天命を待つのは全部済んでからです。

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受験番号のマークだけは【第51号:2003年12月8日発行】

センター試験が近づくと今でも思い出す“事件“がある。神谷は高校3年のとき、当時始まったばかり(3期目)の共通一試験を受けた。同じ高校の現役 生がそろって名古屋工業大学で受験した翌日。登校すると、ごく親しかったG藤というのが大騒ぎしている。いつもにぎやかな奴なので珍しいことではなかった が、その時だけは逆上して真っ赤になっていた。「数学の受験番号をマークし忘れたかもしれん!」という。自己採点してみたところ、受験番号が塗ってあった ら200点(満点)。塗ってなければ0点。後者なら「2次試験で大逆転せんといかんがね!」というわけである。彼は校内でも数学が抜群にできるほうだった ので、数学(1次)のカタキを数学(2次)で討つことが十分可能ではあったが、苦しい戦いだ。

結局彼はまんまと志望校に合格してしまったので、受験番号がちゃんと塗ってあったのか、大逆転したのかは定かではない。まあ、きっと塗ってあったの だろ う。受験番号をマークするくらいしか仕事のない待ち時間に、それを忘れる(ミスする)ことはなさそうですね。ただ、ちゃんとそれを実行しているのに、記憶 がなくて不安でたまらないという経験は誰にでもあるでしょう。この種の心配がつきまとうので(ほかにも理由はあるが)、私はマークシートが大嫌いなのであ る。

ところで、以前に読んだ雑誌『大学への数学』の受験報告の中に、終了のベルが鳴ったあとも塗り続けていたら失格(その科目が0点?で済むのだろうか)に されてしまい、浪人を余儀なくされたという話がありました。ベルが鳴ったら潔く鉛筆を置きましょうね。

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