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まとめの方法 その2:何も見ずに書く

(『神谷塾だより』の連載記事の転載です)
たとえば、古代から現代までの中国と日本との関係を1枚の紙にまとめよう--と思い立ったとき、何を用意しますか。教科書、参考書、歴史資料、用語集…と、とりあえず全部広げてみますか。勉強している気分にはなりますね…。しかし、その方法で果たしてはかどるだろうか。
前項に回書いた、紙とエンピツ。最初はこれだけでいい。紙はなんでもいいが、できればコピー用紙のような、罫線も何もない、真っ白な紙。どこからでも、体裁を気にせずにとにかく書き始められるから。これでまず30分、勝負してみよう。自分の頭にあることがらを絞り出してみるのだ。
レイアウトとしては、古いほうを上にして縦に並べるのがよさそうである(紙を縦に使う場合)。中国のほうが先輩だから、殷から順に王朝名を書いていく。次は周。すぐに春秋戦国時代になって、次は秦、すぐに漢。前漢と後漢の間は何だっけ?…そこは空けておいて※、三国時代と書く。隋・唐の前は何?また空白※。でも構わずに進める。日本との関係が記録に残るのは前漢から。前漢の横に「100余国」などと書く。後漢の横に「奴国から使節」、三国の横に(魏)として、「邪馬台国から使節」。中国の王朝が元・明・清と続くころは、おおざっぱに言って鎌倉・室町・江戸と対応しているのでだんだんやりやすくなるが、内容が多いので大変。元なら元寇を書かないわけにはいかないが、すると朝鮮半島が高麗だったことも書きたくなる。(ここで「そうだな」と合点がいかない人は、勉強しよう!)
そうだ、あとで朝鮮半島のことも並べて書かなくては…!
やがて、未完ながら日中の外交史ができあがる。何も出てこなくなったら、そこが今のところの限界(=実力)である。ちょいと甘いものでも食べて脳にブドウ糖を補給してから、今度は空白、つまり書こうとしたが書けなかったところを、参考書を見ながら埋めていく。ここで、実力がじわじわとついている感じがするだろう。このとき、全然知らなかったことを発見しても、そこに書かなくていい。いま手持ちの知識を強化することが第一なのである。目的を誤ってはいけない。発見したことは当面は自分のレベルを超えているのだから、本にチェックを入れて、後で熟読したほうがいい。(なお、中学生はさきほどの空白部※にはあまり深入りしなくてよい)
見栄えはよくはないが、気にしない。誰に見せるわけでもないのだから。それでは気が済まない人というは、後でより高品質のものにバージョンアップすることにして、デッサンのつもりでなにしろ書こう。はじめからすごいものを書こうとしても、書けないものだ。また、結局このデッサンがあとあとまでいちばん便利だったりする。
非常にまずいのは、「要点整理」みたいな形ですでに誰かがまとめたものを、ほぼそっくりそのまま左から右へ書き写してゆく、という方法。これは勉強した気になるだけで、ぜんっぜん実力がつかない。自分の頭を使ったことにならないからだ。苦労は多くても手づくりがいちばん自分のためになる、と強調しておきたい。

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