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6月1日~6月15日


某日 有機化学の勉強を本だけで、つまり2次元でやっていると、本にはわかりやすい図解があるものの私のアタマではどうしても限界がある。シクロヘキサンのイス型・舟型・ねじれ舟型とかメチルシクロヘキサンの立体配座のあたりでいよいよ辛くなり、ついに分子模型セットを購入。「HGS 分子構造模型 有機学生用セット」というものである(写真)。税込2100円。もっと本格的なものでは1万円前後とか高価なものでは7~8万円もするものまである。私としてはさしあたりメチルシクロヘキサンぐらいがなんとかなればいいいので、値段の手頃なこの製品にした。原子の部品が足りなくなればもう1セット買えばいい。
某日 「午前十時の映画祭」で『アラビアのロレンス』を観る。1962年イギリス。監督はデーヴィッド=リーン、主演はピーター=オトゥール。脇役陣の中のアラブの武人アリ役の男をどこかで見たことがあると思ったら、『ドクトル=ジバゴ』主演のオマー=シャリフだった。
 物語は実在のイギリス陸軍将校のトマス=エドワード=ロレンスの自伝に基づく。第一次世界大戦中のアラビア。オスマン=トルコ帝国(ドイツと同盟関係)に支配されていたアラブの独立闘争を指揮する王子ファイサルと接触してイギリスへの協力を取り付けるという工作がロレンスの任務である。灼熱の砂漠をラクダで行軍する、砂漠に大きな太陽が昇る、地平線の彼方の蜃気楼が次第に黒い人影となる--といった場面が本作ならでは。
 オリジナル版は207分という長さで、開演の2時間19分後、黒画面に間奏曲の流れる休憩が5分間(ここでトイレに行き2杯目のコーヒーを買って戻るとちょうど良い)。当時の映画ではそれが普通だったらしく、オペラのように冒頭と終わりにも黒画面に音楽が流れる(序曲と終曲)。画面の中の世界もでっかいがフィルムの量も膨大だ。これを大スクリーンで観れて1000円は安いと率直に思うが、それにしても長い。少年のころテレビの映画劇場で確か2週にわたって観たが、アタマが話についていけず集中も続かずで所々寝てしまい、ごく断片的な砂漠と戦闘の記憶だけ。「観たんだけど中身は憶えていない大作」という、まるで茫漠たる砂漠のような印象の映画であった。
 さて観終わってみると、今度は最初から最後までしっかり集中して観たものの印象は少年時代のものとあまり変わらない。面白いはずの映画なのに、困ったことである。スティーヴン=スピルバーグは『ロレンス』を観て映画監督を志したそうであり、そう言われると確かに頷けるような気もするのだが、この映画のDVDを欲しいかと言われれば私はNOである。映画館の大スクリーンでやってくれるから観に行くのであって、ソフトが家にあってもたぶん観ない。同じく大作の『ドクトル=ジバゴ』は私は原作も(日本語で…)読んだし、テレビで何度も観てストーリーはほぼ記憶している上にDVDも持っている。
 あとは、ヒロインがいない。男しか出てこないのだ。その上男色の場面まで出てくるのが私的にはいただけないのであろう。アラブ遊牧民に目の覚めるような美女がいて、その娘に惚れられて云々…という展開でもあれば、もっと面白がれたに違いない。低俗と笑わば笑え、映画を面白いと思うツボは人それぞれだ。その時代が何を娯楽として求めたか、ということもあるのだろうが。
某日 映画『星守る犬』を観る。
 村上たかしの同名のコミックが原作。原作では「おとうさん」と犬は「おとうさん」の故郷を目指して南へ走るのだが、映画では北上してやがて津軽海峡を越える。もともと北海道を目指すつもりはなかったらしい。名寄のひまわり畑が見事である。
 他の「犬かわいそう映画」とはちょっと異なり、死に場所を求めるかのような「おとうさん」の旅に犬が付き合ってくれるという、幸福といえば幸福な物語。ただし、主人が死んでも側を離れずに痩せ衰えていく犬はやはり不憫。道中、石狩市のカフェ「マウニの丘」(実在する)のオーナーに引き取られそうになるのを必死で拒むところも切ない。この場面にオーナー役でチョイと出ている三浦友和がいい感じだった。
 私も妻に愛想を尽かされたら犬と一緒に車で北を目指そうか…ということをつい考えた。しかし既に北海道に住んでいるのであるから出発したその日のうちに北海道は終わってしまうであろうし、金もガソリンも食糧も尽きて寒さの中で死を待つのは耐え難い。そんなのに犬を付き合わせるのも気の毒である。
某日 「ザ・ニュースペーパー」札幌公演に。毎年2回ほど来てくれているらしいのだが観に行くのは初めて。社会情勢上やはり震災や原発事故がらみのネタが多い。“枝野官房長官”や“菅直人首相”、“さる高貴なご家庭”も良かったが、私としては“東電社長”の独白が最も良かった。
「私が社長になった時、もう原発はあったの!私が作ったんじゃないの!」
と言うのである。それはそうだろうなあ。(でも同情はしない)

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