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分解者は消費者でもある

中3理科「生物界のつながり」で、「分解者」というグループの意味が2012年度から変更されています。
従来は生物を「生産者」(=植物や藻類・植物プランクトン)、「消費者」(=動物)、「分解者」(=菌類・細菌類)と分けていました。これが今年度からは、まず大きな括りは「生産者」「消費者」の2つとし、「消費者」の中に「分解者」を置くことになっています。
「生産者」は光合成などをして無機物から有機物を作り出すことのできるもの。これは従来どおりですが、「消費者」は自分で栄養分をつくらず他の生物やその遺骸などを食べるか分解するかして生活するもの、つまり<生産者以外のすべて>ということになりました。
そして「消費者」の中に、もっぱら生物の遺骸や排出物を栄養分とするサブのグループとして「分解者」を置きます。「遺骸や排出物」とは?--動物の場合はすぐにわかると思います。植物の場合、遺骸とはたとえば落ち葉とか枯れ枝を指します。
「生産者」と対になる語は「消費者」であり、「消費者」の中に「分解者」がある。したがって「分解者」は「消費者」でもあることになったのです。生産しないのであれば消費のみするわけですから、まあ「すっきりした」とも言えるわけですが、実際はそう簡単ではありません。注意しておきたい点を2つ挙げておきます。
[1] 菌類・細菌類
菌類はカビ・キノコの仲間で、細菌類は酵母菌・枯草菌・乳酸菌など。これらは従来は「分解者」でした。遺骸・排出物も、そうでないものも(生きている動植物に取り付いたりもしますからね…)、最終的に二酸化炭素・水・種々の窒素化合物といった無機物に変えてしまうので文句なく「分解者」ですが、今年からは「消費者」でもあることになりました。繰り返しになりますが、栄養分を生産してはいないからです。
[2] 土中などにいる小動物
<草食系>では落ち葉を食べるミミズやダンゴムシ、トビムシ、草食のダニなど。<肉食系>ではトビムシや草食のダニを食べるカニムシや肉食のダニ、動物の遺骸を食べるシデムシ、動物の糞を食べるコガネムシの仲間、さらに自分より小型の小動物はみな食べるクモやムカデなど。これらは従来は「消費者」でしかありませんでした。エサはいちおう有機物であり、排出する糞も有機物ですから<最終的に無機物だけにする>ことはできないのですが、今年からは「分解者」の肩書きも持つことになりました。“本来”ゴミであったはずのものを積極的により細かいもの(糞)に形を変え、菌類・細菌類の処理につなげるから「分解」の役割を果たしている、と考えればいいでしょう。これら小動物がいなくては自然界が死体だらけ・落ち葉だらけになってしまうのですからね。
この点を修正できていない参考書・問題集・塾教材も多いと思いますので、現中3の人は気をつけましょう。・・・いや、初めて学習する中3の人よりも、実は<分解者=菌類・細菌類>と思ってずっとやってきた教師のほうこそ、言い間違えをしないようにしばらく努力を要するところかも知れません。

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