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2013年度北海道公立高校入試について

(『神谷塾だより』3月13日号に書いた記事です)
大方の予想通り、道教委の報告書(昨年秋発表)の改善意見を反映して、各教科とも出題形式が大きく変化しました。また、国語・数学・理科では「全国学力テスト」の出題を参考にしたというのが今回のもうひとつの特徴で、これは今後も注意が必要でしょう。
国語・英語では「標準のみ」の問題が易しい。学力に応じて得点できるようにとの配慮でしょうが、高校入試のレベルとして妥当なのかどうか。来年もこんなに易しいとは思わないほうが良さそう。
裁量問題が導入されてから5年目。毎年大なり小なり出題形式の変化があり、なかなか落ち着かないものです。来年もまた何か変化するに違いありませんが、出題範囲はいつも中学3年間分。むしろ「決まった形式はない」と考えて、形式の変化などには動じないタフな学力を身につけて入試に臨むことにしましょう。
国語
全体に昨年よりぐっと解きやすくなった。
共通一 漢字・実用文。漢字が従来の2点×6から1点×8に。問四は全国学力テストを参考に出題。
裁量二(標準三) 文学的文章。ほどよい難度。問二は解答要件は見つけやすいがまとめるのにやや骨が折れたか。
裁量三 説明的文章。全体に解答しやすい。問四で患者のことばを「痛い」に限定した場合は減点されるか。
数学
方程式の立式が復活。全体に難度はほどほど。
裁量2(標準3) 問2は全国学力テストを参考に出題。「素朴に数える」を実行すれば吉。
裁量5 各問とも(1)(2)に分かれた誘導形式で(1)はそれぞれ易しい。問3(2)では相似を使うため「補助線を引いてみる」という発想ができれば吉。考え方の記述にやや手間取るか。
英語
英語の苦手な層に配慮した出題であったようである。
裁量5 A・Bに分かれ、いずれも穏やかな出題。A問3の並べ替えは例年高難度だが、今回は単語の変形も過不足もない「ただの並べ替え」で正答率は高そう。英作文(B)は本文なしの自由英作文(新傾向)で「将来の希望と理由」を24語以上で書けというもの。内容がヘンでなく文法・語彙ともに誤りのない英文が書ければOKなので、上位層には易しい出題だったと思われる。配点6点で「希望」と「理由」が3点ずつであり、I want to be a(an) ナニナニ in the future と書けばそれで3点取れるので楽。後半については語数不足にならないようにうまくまとめればよい。
自由英作文というものは、文法や語彙の力がない状態でむやみに練習をしても成果は上がらない。中3の12月くらいまではオーソドックスな和文英訳の練習を積んでいくのが良いであろう。
理科
出題形式が激変。長らく物理・化学・生物・地学の大問が各2題という形式だったのが、今回は小問集合1題と物・化・生・地の大問が各1題(たとえば近年の宮城県の入試がこの形式)。「広く浅く」をやめ各分野で素材を1つに絞り、深みを出したということであろうか。ただし、その結果「運動とエネルギー」「電流と磁界」「化学変化とイオン」など高校物理・化学の基礎となる部分からの出題が全くなく、難度は高めなのに物足りない印象。
 化学・生物・地学・物理の小問が1題ずつ。基本的。
 化学(密度)。問2では表2中の液体が密度の順になっていないので思考にやや手間取る。
 地学(天気)。問4は台風の進路を風向で判断するオーソドックスな問題だが、盲点になっていた生徒も多かったと思われる。
 生物(生態系/環境)。問3は全国学力テストを参考に出題。川の汚れの原因がSの前の集落であることを指摘すれば良さそう。
 物理(電流による発熱)。作図を含めて標準的。
社会
理科と似た出題形式の変更。地理や公民の資料読み取りや計算の作業が増えて忙しいという印象。
 小問集合。地理・歴史・公民の小問が計9題。歴史ではクイズのような一問一答形式も。問9の地形図は山岳地帯のもので、等高線を追うのにやや骨が折れる。中央にある950mの表示と下方の1058mの三角点が発見できると楽か。
 地理+歴史の、これも小問集合のような形式。問4は北海道では珍しい計算+作図。問5はよくある昼間・夜間人口の問題だが「表3をもとにして」という指示に対応して事業所数や大学数に触れることができたかどうか(「いつもの問題だ」と油断した生徒が多かったであろう)。
 歴史(近現代)。標準的。北方領土の問題は(政治的意図からか)今後も毎年出るそうなので島の名と位置をしっかり押さえよう。
 公民。問1(1)の得票率の計算が煩雑で、時間に余裕がないとイライラする。(2)でもドント式の計算をするのでさらにイライラ感が募りそう(こちらは暗算でスイスイ行くが)。問2は珍しい再審の条件の記述でやや難。

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