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大停電が明けて

(2018年9月18日発行の『神谷塾だより』に掲載したものです)
倉本聰氏「文明の利器が登場する以前、我々は別に暮しの上で不便を感じることはなかった」
寺田寅彦「文明が進むほど天災による損害の程度も累進する」

(いずれも『北海道新聞』9月14日付「卓上四季」より)
昔は台風が来たときなどよく停電したものだった。だが頻発する分、復旧も早かったように思う。今回のような大規模な停電は半世紀を超えるわが人生でも初めてである。当初「復旧に1週間かかる」と聞いて暗澹たる気分になったものだが、幸いにして40時間弱で電気は戻った。食料の心配はなく、水道・ガスも普通に使え、車のガソリンも満タンにしたばかりで、情報はラジオで得ることができたし(ラジオって凄いよな)、6日夜にはどこかの田舎に来たような見事な星空というおまけ付き。スマホのバッテリーは2日目の昼にダウンしたが、もともと携帯しているだけのようなものなのでダメージはなし。幸運中の幸運と言うべきか、ある人の言葉を借りれば「無傷」であった。そして、気候が良く冷房や暖房の不要な時期だったのも、有り難かったのだ。
電灯さえ点れば塾はできるのだが7日夕方の時点でまだ回復しておらず、2日間休業せざるを得なかった。2日間で済んで良かったと思うし、8日には皆普通に塾に来てくれて安心しましたよ。6日・7日の分をまだ振替していない人は、どうぞいつでも来てください。
震源の近くや東区・清田区などで被災された親類・知人のある人もいるだろう。ご家庭・職場によっては断水したりエレベータが停まったりと、大変な思いをされた方も少なからずおられよう。一日も早く穏やかな日常が戻りますように。
ところで--視野を全国に広げれば、西日本で豪雨や台風による甚大な被害があったのはつい最近のことだ。遡れば熊本地震、そして東日本大震災の復旧もまだ半ばである。その東日本大震災を仙台で経験した伊集院静氏が書いている--
「ニュースを見ていて驚いたのが、災害時の準備をほとんどの人がしていない点だった。非常用の電燈も、手動式充電のラジオも用意していない。医療機関も災害時の自家発電の準備をしていない。あわてて買物の列に並ぶ人の姿に、(思わざるを得ない。彼らの目には、)テレビによって得た情報、学んだはずの教訓は、やはりどこか他人事のように映るのだろうか」
(『週刊現代』9月22日・29日号「それがどうした」より。( )内は神谷が補足)
伊集院氏はわれわれを非難しているのではない。人間はそういう風にできているのだ、と諭す。
いつ来るとも知れない災害への備え。ゼロではなかったが十分でもなかった、という人が大半だろう。だが、今回のことで多くのことを学んだ。次は同時に豪雨に見舞われるかも知れない、真冬に来るかも知れない、と有り難くない事態を想定して、日常的にできる準備をしていきたい。対策は新聞で折々記事になっているし、ネット上にもいろいろな工夫が紹介されている。停電だけで済んだ「無傷」の者が語るのはおこがましいのだが、今回の「被災」を契機に災害対策のスキルを身につけていきたいものだ。
同時に、エネルギー全般の消費やそれに支えられた文明というものを見直す良い機会である。節電の励行や飲料水・乾電池などの備蓄はもちろんのこと、100V電源がなくともできることを増やす。たとえば小さな衣類の洗濯は手ですればいいに違いないし、これは君たちもすぐ実行できる。他にも若者だからこそ気づくことだってあるに違いない。それをご家庭で提案してあげてください。次に来る災害に間に合わせよう。

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