硫化鉄の生成 | 札幌西区個別指導学習塾神谷塾、高校生・中学生・小学生対象|札幌西区の個別指導学習塾なら神谷塾、高校生・中学生・小学生

硫化鉄の生成

先日、生徒と一緒に中2理科「化学変化と原子・分子」の問題を解いていました。鉄の粉末と硫黄の粉末の混合物を試験管に入れてガスバーナーで加熱すると、鉄と硫黄が化合して硫化鉄ができます。
   鉄+硫黄→硫化鉄
   Fe + S → FeS
このとき、混合物を加熱し続けるのではなく、一部を加熱して反応が始まると、加熱をやめても反応は続きます。鉄+硫黄の化合のときに熱が出るため、その熱がまた次の化合を引き起こすのです。もともと加熱しなくても水でこねてダンゴにしておけば(つまり、鉄原子と硫黄原子が接触していれば)反応は始まるので、バーナーで加熱するのは最初のきっかけを与えるためということになります。
さて、加熱するその「一部」は、私は原理的にはどこでもいいのだろうと考えていました。ところが、ある出版社の問題集に、「試験管の上部・中部・下部のどこを加熱するか」選べ、という問題があるではありませんか。正解は「上部」なのですが、中部や下部ではいけないという説明がありませんし、私も詰まりました。確かに生徒はそのように教わるし、教科書にもそうあるので、記憶にしたがって上部を選べばいいのでしょうが、それでは理科ではありません。上部を選ぶからにはその理由があるはずで、理由も知らずに上部だと憶えるのはただの“暗記”でしかありません。
私はもともと理科や社会を暗記科目だとするのには抵抗があります。暗記というのはおそらく「わけもわからず記憶すること」で、歌の歌詞とか般若心経をそらんじるのはいいとして、勉強の場面ではしばしば「電話帳を憶える」かのごとき苦役となります。そんなことでは理科も社会もできるようにはなりません。「暗記科目が苦手だ」という子どもは、理科や社会を暗記だと思っているから、いつまでたっても苦手なのだと思います。
さて、上の問題はわけがわからなければまさに暗記を助長する例となってしまうので、私の気が済みません。それで、いつも頼りにしている「新理科教育ML」に質問の投稿をしました。
「鉄と硫黄の混合物を試験管に入れて加熱するとき、なぜ混合物の上部を加熱するのでしょうか」
すると、代表の左巻健男氏(同志社女子大教授)ら化学分野に強い方々から回答をいただきました。整理するとこうです。
1.下部を加熱すると、下部では化合が起きるが、溶けた硫黄が底にたまって化合が中途で終わってしまう。だからといって下部からの加熱を続けると、温度が上がりすぎて試験管が割れる。また、火力を上げてガーッと全体を加熱しようとすると、反応の熱がいちどに発生して危険、ということもある。
2.上部を加熱すれば、溶けた硫黄は下方に流れていくだけなので、反応が中途で止まることはない。
3.なお、バーナーでの加熱をやめても反応が進行する様子を目で見ることができるので、化合によって熱エネルギーが発生し、それが次の反応を引き起こしてゆく様子がよく観察できる。この点でも、上部を加熱する方式は優れている。この方式を開発したのは大竹三郎さんという方(故人)で、1962年のことだそうです。
といったことでした。
ほんとうは自前のラボを持って、自分でいろいろやってみるべきなのです。しかし神谷塾は現在(たぶん今後も)間借りの状態で、火気を使う実験はできそうにありません。物理分野の光とか電気なら、装置さえあればできると思うのですが。

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