3月いっぱいで塾の教室を閉めました。開業以来20年弱の間に溜め込んだ書籍や資料の類いはなかなか膨大で，生徒にあげられる物はあげ，売れる物は売り，捨てるべき物は捨て，残りは自宅の仕事場に移動しました。もともと仕事場にしていた自室は6畳一間で，ここに（もともとあった分も含めて）高さ180cmのスチール書棚を7本並べ，書籍も資料も詰め込みました。

教室を閉めるまでは「自宅でする仕事・勉強」「教室でする仕事・勉強」におおむね区別があり，これに合わせて書籍や資料も分散していましたが，これらをひとまとめにして一覧できるようにしてみるとまことに便利。頼りにしてきた本たちが全部視野に入り，毎日のように手に取る本はもちろん，まだ読みきっていない本や何度も読み返したい本も目に入ります。それでしばしば仕事を中断して読書に耽ってしまったり。死ぬまで退屈せずに済みそうであります。

さて－－ここ数日は中3生の夏期講習の準備（社会）に合わせてこの本をぱらぱら読み直していました。

武井正明・武井明信『新版　図解・表解　地理の完成』（山川出版社，2007）

「歴史の山川」の高校地理の参考書。ペ－ジ丸ごと文字というところも多いですが，それは丁寧な説明を旨とするから。調べものにはもちろん，気の向いた箇所を拾い読みするだけでも楽しい。地理の好きな人なら中学生にも使いこなせるでしょう。

いろいろ役立たせてもらっている一例をご紹介しておきます。京浜工業地帯は2000年代に入ってから工業出荷額が急に減少しましたが，その理由は
2002年の統計分類の改訂で（京浜工業地帯の出荷額の一定割合を占めていた）新聞・出版が工業出荷額から除かれたため
なのだそうです（p.306またはp.310）。この件，私にとってはしばらく謎だったのですが，この本で解決を見ました。